「別に……紗南は、今のままでいいだろ」
だけど、そう言った悠月に、外していた眼鏡を装着された。
「確かに紗南ちゃんは、眼鏡をしててもしてなくても可愛ええよな」
星穏さんも、眼鏡をかけたわたしを見て、うんうん頷いている。
――っていうか皆して、可愛い可愛い言い過ぎじゃないですか……!?
「あは、紗南ちゃんってば真っ赤になってる! か~わいい!」
「ほんとだね。よく熟れた林檎みたいだ」
「っ、もう! 有栖さんも潤さんも、揶揄わないでくださいよ!」
言われ慣れてない「可愛い」攻撃に、わたしは照れることしかできない。
meteor(メテオ)の皆さんはサラッと口にしてくるから、わたしはドキドキさせられっぱなしだ。
「……可愛いよ」
「え?」
「紗南はいつだって可愛いよ。おさげの三つ編みだって、メガネをかけてたって、どんな紗南も全部可愛い。おれだって……ずっとずっと、そう思ってた」
突然話し出した悠月が、顔を近づけてくる。



