「あ、そうだ。それじゃあ、わたしの相棒の式神を紹介しておきますね」

「「相棒の式神?」」


三人は不思議そうに首を傾げている。


「コンブ、出てきて」


わたしがそう呼べば、コンブがポンッと姿を現した。
そして、星穏さんの肩にのっていた悪鬼を祓ってくれる。


「え、何や、急に肩のあたりが軽くなった気がするんやけど」

「コンブに、星穏さんの肩に憑こうとしていた悪鬼を祓ってもらったんですよ」

「おぉ! めっちゃカッコええな……! コンブ、ありがとうな」

「えー、めっちゃ可愛いじゃん。何かモフモフしてそう~」

「へぇ、すごいね。式神って本当に存在してるんだ……っていうか、どうしてコンブ?」


三人の反応はそれぞれ違ったけど、怖がらせたらどうしようって心配していたから、嫌な感情は抱いていないみたいで安心しちゃった。


「コンブは、わたしの心強い相棒なんです。ちなみに名前がコンブなのは、食べ物の昆布が好物だからです!」

「ふん、オレは紗南の(めい)しか聞かないけどな。だがまぁ、ヤバい時には助けてやる」


コンブはそっぽを向きながらも、褒められて嬉しかったのか、もふもふの黒い尻尾をゆらりと揺らしている。


「ありがとう、コンブ。頼りにしてるからね! それじゃあ、もう戻って大丈夫だよ」


そう言うと、コンブはその場から姿を消した。