「あっ、それから、星穏さんなんですけど……多分、ものすごく憑かれやすい体質みたいなんです。なので皆さんの歌に引き寄せられているのはもちろん、星穏さんは特に、影響を受けやすいのかもしれません」
「疲れやすい……? 大丈夫、おれはめっちゃ元気やで!」
星穏さんは笑顔でピースをしているけど、その肩にまた新たな悪鬼がせっせと登ろうとしているのが見える。
「違う。紗南が言ってるのは、妖怪とか霊の類に取り憑かれやすいって意味」
悠月が説明すれば、星穏さんは表情を少しだけ強張らせた。
「れ、霊って、お化けってことやんな……?」
「……星穏、ちょっとおれに近づかないでもらってもいい?」
「あ、俺もそうしてもらおうかな」
「って、有栖も潤も何で離れていくん!? 寂しいやん!」
静かに離れていこうとする有栖さんと潤さんに、星穏さんは半泣き状態だ。
二人は冗談で言っただけみたいで、笑いながら「ごめんごめん」って謝っていたけど。



