学園内でのライブが無事に終わった、次の日。
わたしたちは、meteor(メテオ)のミーティングルームに集まっていた。

わたしと悠月が陰陽師の家系であることや、この学園に封印されているセイレーンの呪いを完全に封印して怪奇現象を何とかするために、学園に転校してきたことを話すためだ。

本当はあまり話さない方がいいんだけど、meteor(メテオ)のメンバーは呪いの姿を見ることもできるみたいだし、陰陽術を使うところも実際に見られちゃったしね。
だから、お父さんにも許可をとって、わたしたちの秘密を打ち明けることにしたんだ。

そして話をしてみて、あらたに分かったことがあるの。
meteor(メテオ)のメンバーがセイレーンの呪いに襲われたのは、昨日が初めてってわけじゃなかったみたい。


「はじめは、あのバケモノの姿も見えなかったんだ。でも歌の練習をしていたら、突然物が落ちてきたり、窓も開けていないのに風が吹いたり……変なことが起きるようになってね。そんなことがあまりにも立て続けに起こるから、一応、先生にも相談してたんだ」

「そうそう! そしたら、いつからかな……一か月くらい前からだっけ? 変な黒いもやみたいなのが見えるようになってさ。最初は見間違いかと思ってたけど、メンバー全員が見えてるし、その姿もはっきり見えるようになってきたんだよねぇ」


どうやら、はじめから黒い影が見えていたわけじゃないみたいだ。
きっと、そばに現れることが多かったせいで、少しずつその姿を認識できるようになったんだろうな。