「そうだけど」
「っ、やっぱり! え、ゆづちゃんと紗南ちゃんって、一体何者なわけ……!?」
「それは、あらためて説明する。今はゆっくり話す時間もないだろ」
悠月の言葉に、有栖さんは「それもそうだね」って納得してくれたみたい。
「まぁとりあえず、紗南ちゃんとゆづちゃんのおかげでライブも無事に成功したってことだよね! ありがと!」
にっこり笑った有栖さんに、ぎゅって抱きしめられる。
そして次は悠月を抱きしめにいって、全力で嫌がられていた。
有栖さんは全然気にしていないみたいで、笑ってるけど。
「で、悠月くんと紗南ちゃんは、こうしてライブを見てみてどう思ったのかな? 一緒にアイドルとマネージャー、やってみてくれる気になった?」
潤さんに問いかけられる。
先に答えたのは、悠月だった。
「……やる」
「え?」
「おれもアイドル、やる。だから紗南は、マネージャーとして、一番近くで見ててよ」
悠月は、実際にmeteor(メテオ)のライブを見たことで、アイドルのやる気が出たみたいだ。
わたしは……どうしよう。
でも、今日みたいなことがまたあった時、meteor(メテオ)の皆の近くにいた方が、守りやすいとは思うんだよね。
悠月がアイドルとして近くで三人を守るなら、さっきみたいに、陰から守る役目だって必要だろうし……。



