「え? ずるいって、何がですか?」
「潤とばっか連絡先交換してて、ずるいやん。おれとは交換してくれへんの?」
星穏さんはむっと唇をとがらせて、拗ねたような顔をしている。
「……ぜひ、交換してください」
「ほんまに!? よっしゃ!」
推しからうるうるした目で見つめられてしまえば、大丈夫ですと断れるはずもなくて。
わたしは星穏さんとも連絡先を交換することになってしまった。
(この後、有栖さんにも同じようなことを言われてしまい、結局meteor(メテオ)全員と連絡先を交換することになるんだけどね)
「星穏さん、早くミーティングルームに行った方がいいんじゃないですか?」
「せやなぁ。だた潤も有栖も、怪我のこと知ったらめっちゃ怒るやろなぁと思って。合流する前に、何とかごまかせんかなぁと思ってたんよ」
そう言う星穏さんのそばにはメイクポーチらしきものが置いてあって、中にはファンデーションなどが入っている。
もしかしたらメイク道具を使って、腫れをかくそうとしていたのかもしれない。



