「でもステージに立ってる悠月、本当にカッコよかったよ。もっと見ていたいなって思ったし、何だか応援したくなっちゃった」

「それは、紗南の推しよりも?」

「推しって、星穏さんのこと?」


悠月は小さくうなずく。
星穏さんと、悠月。どっちがカッコいいかなんて、比べたことはなかったけど……。


「えー、そうだねぇ……どっちがカッコいいかって言われても、やっぱり優劣をつけるのは難しいよ」

「それじゃあ、アイツとおれ、どっちの方を応援する?」

「応援かぁ……でもやっぱり、悠月は大切な幼なじみでもあるからね。私は悠月を応援しちゃうかも」


星穏さんにはすでにファンだってたくさんいるけど、悠月のアイドルとしての道は、これから始まるんだ。
meteor(メテオ)の新メンバーとして頑張ってほしいって思うし、成長する姿を応援していきたいって気持ちはすごく強い。


「今はまだ、それでいいけど……いつか幼なじみとしてじゃなく、男として紗南に選んでもらえるよう、頑張るから」

「え?」


言っている意味が分からなくて聞き返そうとしたら、悠月が顔をのぞきこんでくる。


「おれのこと、これからもずっと見てて。約束だから」


悠月の綺麗な顔が、ドアップにある。
至近距離で見つめられて、心臓が“ドッ”って、大きな音を立てた。