「小戸森さんと鳴宮くんって、どういう関係なの?」
「わたしと悠月は、家がお隣同士の幼馴染なんだ」
「え、そうなの!?」
「すごーい! いいなぁ」
「もしかして、そこから恋が生まれちゃったりして?」
「えっ!? ううん、そういうのは全然ないよ。悠月は何ていうか……同い年だけど、弟みたいな存在だから」
「えぇ、そうなの?」
色めき立っていた女の子たちは、わたしの返答につまらなそうな顔をしている。
女子って、こういう恋バナとか大好きだもんね。
盛り上がっちゃう気持ちも分かるんだけど、わたしと悠月は本当にそういうのじゃないし。
変に勘違いされたら、悠月も嫌だろうなって思って、はっきり否定したんだけど……。
「ねぇ、紗南ちゃん。鳴宮くん、めちゃくちゃ不満そうな顔してない?」
純子ちゃんに小声で耳打ちされる。
右に目を向ければ、わたしの隣に座る悠月は、確かに不服そうに顔をしかめて私をジトリと見つめていた。



