「あの、すみません」

「もう、何よ? 今、meteor(メテオ)のライブ中なんだけど!」

「その、meteor(メテオ)っていうのは何なんですか?」


聞いてみれば、ステージに熱い視線を送っていた女の子は、カッと目を見開いてわたしを見つめてくる。


「あ、あなた! まさかmeteor(メテオ)の皆さんを知らないの……!?」

「え、えっと、わたし、今日この学園に転校してきて……!」

「それでもよ! まだ駆け出しでテレビ出演なんかはないけどね、meteor(メテオ)は雑誌にも掲載されたことがあるのよ!? それに、YouTubeチャンネルなんて開設して半年もたってないのに、登録者数はもうすぐで一万人を超えそうなんだから!」

「そ、そうなんですか!?」


――まだ中学生なのに、星穏さんって、そんなに有名な人だったの……!?
驚いていれば、ステージに立っている星穏さんたちが、マイク越しに話し始める。


「久しぶりの学園ライブやし、改めて自己紹介するな! おれらは、“meteor(メテオ)”っていうアイドルグループをやらせてもらってます!」

「「きゃー! 星穏く~ん!」」

「あはは、おおきに。おれは久東星穏。で、こっちが……」


星穏さんが左隣に目を向ける。
そこに立っているのは、ミルクティー色の髪をした、メガネをかけている男の子。知的な雰囲気のイケメンだ。