覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「長い年月をかけて、美央が放流した子カメが大きく成長して、この砂浜にかえってくるんだぜ」


「そうなんだ……」


 太陽が水平線と重なり、海辺がオレンジ色に染まっていく。

 だんだん薄暗くなってるけど、私は砂浜に立って海を見続けていた。

 東京では体験することがない、神秘的な雰囲気に感動しているのかもしれない……


「美央、そろそろ次のイベントが始まるぜ」


「えっ」


 賢斗くんの声を耳にして、私は我に返る。

 そして、周りを見回すと賢斗くんと私だけ。

 真央や、他の人たちの姿も見えない。



「もしかして、二人だけ……」


「そうだな」


「待っててくれたの、賢斗くん……」


「美央、一人にしとけないだろ」


「ありがとう……」