覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 島の子供たちだけでなく、観光客の姿もあった。

 町から砂浜に移動して歩いてたのは、ウミガメ放流会に参加する人たちだったみたい。


 すでに、海洋センターの職員さんたちの姿もある。

 みんなが見つめる先には長方形の箱があって、その中には子ガメがたくさん入ってた。


 海洋センターで保護されたウミガメの卵は、孵化したらすぐに海へ放たれるとのこと。

 子供たちも子カメを手に取り、センターの人に教わりながら放流していた。


 真央や島の子たちは手慣れた感じ。

 私は初めてのことなので、緊張している。


「だいじょうぶだから、やってみろ」


「うん……」


 賢斗くんに背中を押され、私は両手で優しく子カメを手で持つ。

 そして、周りの子供たちがやってる様子を見ながら、波打ち際まで近づいて砂浜に優しく子カメを置いた。


 海に向かってパタパタと歩き進んでいく子カメを、波が静かに運んでいく。

 そして、姿は見えなくなっていった。



 周り子供たちが放流する子カメも、みんな次々と海へ戻っていく。