覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



 家に戻るとすぐに、大きな声が響いてきた。


「おせえぞ、夕方になったら迎えにくるって言っただろ!」


 私と真央に向け、いきなり言ってる。

 その声は賢斗くんで、倉橋ダイビングショップの店内からだった。

 椅子に座り、レモネードジュースを飲みながら威張ってる。


「夕方って、まだ早いんじゃない!」


 私だって黙ってない、賢斗くんに、ちょっと強い口調で言ってやったよ。

 でも、横に立っていた真央が時計を見て慌てている様子。


「どうしたの?」


 真央は私の言葉を聞こうともせず、奥の部屋に行って食品を冷蔵庫に入れてるみたい。


「美央も早くしたほうがいいんじゃね?」


 賢斗くんが私向けて言った。

 理由が分からないので、思わずその場に立ち尽くしてしまう。



 どうして、急がないとだめなんだろう……