覚悟を決めた夏、あの空の向こうに



「もちろん大丈夫よ!いちおうね、お母さんにも話はしたんだけど……わかってくれたみたいだから安心してね。それより、持ってるスマホはどうしちゃったの? 電源が切れたままだって心配してたんですけど……」


「あっ!」


 フェリーから下りてすぐ、コンクリートの地面に落として壊れたんだ。

 電源が入らないから、しかたなくキャリーバッグにしまい込んだままになってる。


「港で地面に落として壊れたらしく、電源が入らないの」


「美央ちゃんのスマホが!なるほどね、そうだったんですか」


 納得してくれたみたいで、律子さんは首を縦に振って頷いてる。


「そういえば、私の荷物が学校に……」


「だいじょうぶよ安心して!」


 そう言うと、律子さんは店の車に積んであったキャリーバッグを持ってきてくれた。


「ありがとう!」


「うんうん、かわいいは正義ですからね」


「はあ……」



 かぎりなく個性的な大人の律子さん。


 でも、悪い人じゃなさそうで安心した。