ヨルルは、ジャック・オー・ランタンを作るためのカボチャを手にいれるため、キッチンへ行きました。
 そこには、調理長のゴーシュがいました。
 ミケネコの女の子であるゴーシュは、鼻歌をうたいながら、ヨルルのための夜食を作っていました。
 チキンスープに、ささみのサラダ、サケとほうれんそうのパイ。
 どれも、黒ねこプリンセスである、ヨルルのだいこうぶつばかりです。
 ヨルルがやってきたのを見て、ゴーシュはおたまをふりました。
「ひめさま。つまみぐいですか?」
「ちがうよ。ジャック・オー・ランタンを作るから、カボチャをちょうだい」
「オレンジ色のハロウィーンカボチャですか。それなら、タルのうえにおいてありますよ。でも、どうしたんです?」
 ゴーシュに聞かれ、ヨルルは、ウッといきをつまらせました。
「ジャック・オー・ランタンをうまくつくれるようになりたいの」
「ああ。ひめさまは、むかしから、工作がにがてですからね」
「もう、ミッドナイト✡ハロウィーンは明日なのに、いまさらだけど……がんばりたくて」
 すると、ゴーシュは首をかしげます。
「いまさらなんてこと、ないですよ。むしろ、まだ時間はあります。これから、じゃないですか」
「これから……?」
「ええ。ああ、そうだ! これで、ジャック・オー・ランタンを作ってみてください」
 ゴーシュがヨルルにわたしてくれたのは、とてもきれいな包丁でした。
 刃のところは、植物のもようがきざまれていて、持ち手のところには、宝石がうめこまれています。
 まるで、おとうさまがもっている芸術品みたいで、ヨルルはすっかり見とれていました。
「この包丁、とってもきれい!」

 ☆ パンプキン包丁のほうせきをさがせ! ☆
 たくさんの包丁が、キッチンにはならんでいるよ!
 ゴーシュがかしてくれた、パンプキン包丁。
 持ち手のところについているほうせきは、どんなかたちだったかな?
 たくさんならんでいる包丁のなかから、せいかいの包丁をさがしてみて!

「これは、パンプキン包丁。料理人たちが、おまもりとしてもっているものなんです。『どんなかたいものでも、うまく料理にできますように』って、いのりがこめられているんですよ。ほら、カボチャってかたいでしょ。だから、パンプキン包丁っていうんです。ひめさまに、おかししますよ」
「いいの?」
「ええ。すてきなジャック・オー・ランタンが、つくれますように」
「ありがとう! ゴーシュ!」
「がんばってください。あとで、夜食をもっていきますね」
 ゴーシュは、そういってウインクをしました。