「…二階堂さんが言う、『好き』を…同じくらいの『好き』を今持ってるのかって言われたら…わからない、です。…でも。」
「うん。」
「…『好き』でいることを、やめないで、…ほしいって…多分私は、今思ってる。」
自分が二階堂の声優人生の足枷になるようなことにはなりたくなかった。傷ついてほしくない。どうしても自分では役不足で、与えられる優しさや眼差しを返せなくてつり合わない。そう思えて仕方がなかった。それでも、一緒にできなくなることを思えば、それが辛かった。電話越しに声を聴くことはもうない。笑いかけてくれることはもうない。『怜花ちゃん』と呼んでくれることはもうない。手を引かれることは、もうない。その現実を選んだのは自分なのに苦しいという矛盾。でも、悪いのは自分なのだから矛盾も苦しみも仕方がなくて、どうにかするしかないと思っていた。しかし今目の前に出されている二階堂の気持ちは、怜花の『悪さ』を否定している。
「…私は人を上手く愛せない…し、人に愛してもらった経験も、…ほとんどない。だからきっと、上手くできないことがたくさんある。素直に言えなくて困らせることももうすでにあって、それはすぐできるようにならない…けど…。」
「うん。」
「…困らせたいわけでも、二階堂さんのせいにしたいわけでもないんです。…ただ、上手くできないの…。こんな私に付き合わせるのも悪いってわかってるけど…ごめんなさい…。…やっぱり嬉しいって、思っちゃう。二階堂さんの気持ちが。」
怜花がそう言い終えると、二階堂の腕が怜花の背中に強く回った。怜花の肩に、二階堂の頭が下りてくる。自分の気持ちをぶつけるかのように強く抱きしめられたのが初めてで、ただただ驚くばかりで怜花はどうしたらいいかわからない。
「あの…二階堂さん…?」
「…無理でしょこれは。だって嫌われてないんでしょ、俺。」
「…はい。嫌いだったときは、ないです。」
「楽しかった?一緒に居て。」
「…はい。」
「…まだ一緒に居てもいいって、思ってくれる?」
「…一緒に居ることが、二階堂さんの邪魔にならない、…なら。」
抱きしめる腕が強くなった。正直、痩せた体では少し痛かった。でもやめてほしいとは思わない。
「…ずっと居て。邪魔なんかじゃない。好き。…怜花ちゃんがいい。怜花ちゃんじゃなきゃ嫌だ。怜花ちゃんがいない毎日は、…寂しい。」
「うん。」
「…『好き』でいることを、やめないで、…ほしいって…多分私は、今思ってる。」
自分が二階堂の声優人生の足枷になるようなことにはなりたくなかった。傷ついてほしくない。どうしても自分では役不足で、与えられる優しさや眼差しを返せなくてつり合わない。そう思えて仕方がなかった。それでも、一緒にできなくなることを思えば、それが辛かった。電話越しに声を聴くことはもうない。笑いかけてくれることはもうない。『怜花ちゃん』と呼んでくれることはもうない。手を引かれることは、もうない。その現実を選んだのは自分なのに苦しいという矛盾。でも、悪いのは自分なのだから矛盾も苦しみも仕方がなくて、どうにかするしかないと思っていた。しかし今目の前に出されている二階堂の気持ちは、怜花の『悪さ』を否定している。
「…私は人を上手く愛せない…し、人に愛してもらった経験も、…ほとんどない。だからきっと、上手くできないことがたくさんある。素直に言えなくて困らせることももうすでにあって、それはすぐできるようにならない…けど…。」
「うん。」
「…困らせたいわけでも、二階堂さんのせいにしたいわけでもないんです。…ただ、上手くできないの…。こんな私に付き合わせるのも悪いってわかってるけど…ごめんなさい…。…やっぱり嬉しいって、思っちゃう。二階堂さんの気持ちが。」
怜花がそう言い終えると、二階堂の腕が怜花の背中に強く回った。怜花の肩に、二階堂の頭が下りてくる。自分の気持ちをぶつけるかのように強く抱きしめられたのが初めてで、ただただ驚くばかりで怜花はどうしたらいいかわからない。
「あの…二階堂さん…?」
「…無理でしょこれは。だって嫌われてないんでしょ、俺。」
「…はい。嫌いだったときは、ないです。」
「楽しかった?一緒に居て。」
「…はい。」
「…まだ一緒に居てもいいって、思ってくれる?」
「…一緒に居ることが、二階堂さんの邪魔にならない、…なら。」
抱きしめる腕が強くなった。正直、痩せた体では少し痛かった。でもやめてほしいとは思わない。
「…ずっと居て。邪魔なんかじゃない。好き。…怜花ちゃんがいい。怜花ちゃんじゃなきゃ嫌だ。怜花ちゃんがいない毎日は、…寂しい。」



