夜を繋いで君と行く

* * *

「怜花!二階堂さんと何かあったの!?」
「うわぁ、里依さん直球!」
「なんで私には内緒なの!」
「里依さん、落ち着いて。」
「…三澄さんまで…?あの、私お邪魔では…?」

 里依の剣幕におされ、その奥からひょっこり出てきた三澄にも驚き、ただもう大きなリアクションを取るだけの体力も気力もなくて静かに反応してしまう。

「いいから入って!聞きたいことまみれだよもう!」
「…ごめん、里依。」

 何がどうなって里依に二階堂とのことが知れたのかはわからないが、里依が少なからず怒っていることはわかった。話していなかった自分が悪いのでもうここは謝るしかない。見慣れた里依の家のリビングに通され、怜花が来た時にいつも座るクッションを見つけたため、そこに座った。

「…なんで私には内緒なの。」
「…ごめん。隠したかったとかそういうわけでもなくて、言うタイミング逃してたっていうか…。でもごめん。隠すようなことでもないよね。別に友達でも、ましてや付き合ってるわけでも、…何でも、ないんだし。」
「何でもないなら悩まないって、怜花が前に言ってたけど?」

 的確に刺してくる里依は珍しかった。これは本当に怒っているのかもしれない。

「…ごめん。記憶力、いいよね、昔から。」
「自分だっていいくせに!自分で言ったな~ってわかってるでしょ!」
「…わかってる。あの時、偉そうに言ってごめん。何様だよって、私も思う。」

 二階堂を突き放し、里依を怒らせ、三澄の貴重な里依と過ごせる休日を潰している。自分のやっていることが酷すぎて、謝ることしかできない。

「それで、二階堂に何かされた?嫌なことでもあった?」

 三澄の優しいアシストに、この人は里依の隣に並ぶべき人だと改めて思う。そんな人と目線を合わせるのが気まずくて、怜花は視線を泳がせながら口を開いた。

「…何もされてないですし、嫌なこともないです。…二階堂さんが、三澄さんに相談した感じですか?」
「相談というか、連絡が取れなくなったから心配してるんじゃないかなって。あと、ああ見えて割と思考が他者の責任にしないタイプというか、自分に戻ってくるタイプというか…自分が悪かったってオチになりやすいタイプだから、多分そう思って一橋さんに直接会いに行ったりとか、そういうのができないんだろうなぁって。」

 これは長年の付き合いがある人の視点だった。怜花は思わず、顔を上げた。