車を駐車場に停め、鎖のように重い足を動かしてただ寝るためだけに家に帰る。怜花と出会う前の自分にあっという間に戻っていて、それに気付くと苦笑が漏れた。
玄関のドアを開けると、丁度洗面所から出てくる怜花と目が合った。
「あっ、お、おかえり!あれっ、箱詰めで長い収録って言ってたからもっと長いのかと思って先にシャワー借りてっ…。」
いつもならば、どんなに抱きしめたくても我慢できた。外のものをなるべく家に持ち込まないようにする、という信念のもとで。しかし今日は無理だった。
「…なんでっ…なんで、いるの?」
「声、ずっと元気なかったから心配で。」
律の腕は怜花をすっぽりと抱き込むように強く回っている。怜花はおずおずと、その背に腕を回した。律は怜花の香りを吸い込んだ。体中に張りつめていた緊張が解けていくのを感じる。
「…おかえり。今日はなんと、きりたんぽ鍋です。」
「…ただいま。はー…もう、たまんないな、こりゃ。」
「お風呂空いたから、あったまって。その間に鍋、準備しておくから。律、外でご飯とか食べちゃった?」
「…ううん。食べてない。昼もなんか、ぼーっとしてたら食べ損ねた。」
「お昼食べてないの?」
「うん。なんか、…うん、そうだね。食べるの、忘れた。」
「…私みたいなことを言う…。じゃあ多めに切っておくし、きりたんぽも多めに買ってて正解だね。いっぱい食べさせる!」
怜花の腕が緩み、それに応じて律も手をゆっくりと解いた。怜花の顔を見つめると、目元の調子が狂いそうになる。
「…疲れた顔だね、随分と。ご飯食べながら、ゆっくり話聞くね。」
「…ご飯終わっても、終わんないかも、話。」
「明日の律の仕事に支障出ない程度までなら、…まぁ許します。でも絶対早くは寝かせる方向なので。」
「…なんで俺の仕事立て込んでるときはその寝かすムーブなの?」
「だって、無理してほしいわけじゃないんだもん。頑張ってほしいし、でも疲れたままで頑張り続けてほしいわけじゃないから、物理的な休息は絶対に取らせないとって…。」
「…はは、怜花ってほんっと真面目だよね。九重くんより敏腕マネージャーじゃん。」
「そんなこと言ったら九重さんに怒られるよ。九重さん、超優秀でしょ、絶対。」
「…うん。九重くんは超優秀、スーパーしごできマネで、実は九重くんの奪い合いが起きるくらいには激戦区です。」
「ほら!っていうかいいから律はシャワーを浴びる!話はそれからです!」
「…ふふ。はぁい。じゃあ、シャワーいってきます。」
「いってらっしゃい。」
玄関のドアを開けると、丁度洗面所から出てくる怜花と目が合った。
「あっ、お、おかえり!あれっ、箱詰めで長い収録って言ってたからもっと長いのかと思って先にシャワー借りてっ…。」
いつもならば、どんなに抱きしめたくても我慢できた。外のものをなるべく家に持ち込まないようにする、という信念のもとで。しかし今日は無理だった。
「…なんでっ…なんで、いるの?」
「声、ずっと元気なかったから心配で。」
律の腕は怜花をすっぽりと抱き込むように強く回っている。怜花はおずおずと、その背に腕を回した。律は怜花の香りを吸い込んだ。体中に張りつめていた緊張が解けていくのを感じる。
「…おかえり。今日はなんと、きりたんぽ鍋です。」
「…ただいま。はー…もう、たまんないな、こりゃ。」
「お風呂空いたから、あったまって。その間に鍋、準備しておくから。律、外でご飯とか食べちゃった?」
「…ううん。食べてない。昼もなんか、ぼーっとしてたら食べ損ねた。」
「お昼食べてないの?」
「うん。なんか、…うん、そうだね。食べるの、忘れた。」
「…私みたいなことを言う…。じゃあ多めに切っておくし、きりたんぽも多めに買ってて正解だね。いっぱい食べさせる!」
怜花の腕が緩み、それに応じて律も手をゆっくりと解いた。怜花の顔を見つめると、目元の調子が狂いそうになる。
「…疲れた顔だね、随分と。ご飯食べながら、ゆっくり話聞くね。」
「…ご飯終わっても、終わんないかも、話。」
「明日の律の仕事に支障出ない程度までなら、…まぁ許します。でも絶対早くは寝かせる方向なので。」
「…なんで俺の仕事立て込んでるときはその寝かすムーブなの?」
「だって、無理してほしいわけじゃないんだもん。頑張ってほしいし、でも疲れたままで頑張り続けてほしいわけじゃないから、物理的な休息は絶対に取らせないとって…。」
「…はは、怜花ってほんっと真面目だよね。九重くんより敏腕マネージャーじゃん。」
「そんなこと言ったら九重さんに怒られるよ。九重さん、超優秀でしょ、絶対。」
「…うん。九重くんは超優秀、スーパーしごできマネで、実は九重くんの奪い合いが起きるくらいには激戦区です。」
「ほら!っていうかいいから律はシャワーを浴びる!話はそれからです!」
「…ふふ。はぁい。じゃあ、シャワーいってきます。」
「いってらっしゃい。」



