「…そっか。…うん、そうだね。俺もここがいいな。初めてがいっぱいあるし。」
「そう、なの?」
怜花の肩にもたれていた律が体を起こした。怜花に向き直って、怜花の両手をそっと包む。
「うん。初めて誰かと一緒にキッチンに立って、あったかいご飯食べて、くっついて眠って。ただいまとおかえりが言える。…経験してこなかったことばっかりやってる。この半年くらいで。」
「…言われてみれば、…半年くらいのこと、なんだね。」
「半年は早い?遅い?」
「…あっという間かもって気持ちと、まだ半年なんだっていう気持ちが半分かなぁ。…いっぱい話してるから、もっと長く一緒に居る気がする。」
「…これからはもっとたくさん話せるね。…嬉しい。」
律の前髪が怜花の前髪に触れる。吐息が掛かるような距離はやはり緊張するけれど、触れられることはずっと嫌ではないのだ。むしろ安堵と、『離さないで』という誰にも抱いたことのないような気持ちとが一緒にあって、それに気付くと余計に恥ずかしくなって耳が熱くなる。
「…お世話になります。」
「こちらこそ。…ねぇ、本当の本当に一緒に住んでくれるの?」
律の問いかけに、怜花は見上げて答える。
「…り、律が嫌なら、なしですこの話は。」
「…だって急展開すぎるじゃんか…。」
「い、いっぱい考えたんだってば。」
「うん。知ってるよ。怜花がいつも一生懸命向き合おうって、一個一個丁寧に考えてくれてること。真面目なことも、頑張って手を伸ばしてくれてることも。…だからね、怜花が怖いって思うこととか、不安だなって思うことを少しでも減らすために何かさせて。」
「な…にか…?」
「うん。何ができるかなっていつも探してる。怜花はさっきさぁ、俺に抱きしめてって言うこともキスしてって言うことも正当だって言ってたけど、怜花だってそういうの、俺に全然要求してないよ?俺が正当なら、怜花も正当でしょ?」
「っ…。」
お互いが同じ位置で、平等だと言うのなら確かに律の言う通りだ。だから、胸に秘めていて日に日に大きくなる、一人のときの『寂しい』をぶつけて、ずっと言えないでいる『もっと』を言うなら今なのかもしれない。
「…もっと、…って、言ってもいいの?」
「そう、なの?」
怜花の肩にもたれていた律が体を起こした。怜花に向き直って、怜花の両手をそっと包む。
「うん。初めて誰かと一緒にキッチンに立って、あったかいご飯食べて、くっついて眠って。ただいまとおかえりが言える。…経験してこなかったことばっかりやってる。この半年くらいで。」
「…言われてみれば、…半年くらいのこと、なんだね。」
「半年は早い?遅い?」
「…あっという間かもって気持ちと、まだ半年なんだっていう気持ちが半分かなぁ。…いっぱい話してるから、もっと長く一緒に居る気がする。」
「…これからはもっとたくさん話せるね。…嬉しい。」
律の前髪が怜花の前髪に触れる。吐息が掛かるような距離はやはり緊張するけれど、触れられることはずっと嫌ではないのだ。むしろ安堵と、『離さないで』という誰にも抱いたことのないような気持ちとが一緒にあって、それに気付くと余計に恥ずかしくなって耳が熱くなる。
「…お世話になります。」
「こちらこそ。…ねぇ、本当の本当に一緒に住んでくれるの?」
律の問いかけに、怜花は見上げて答える。
「…り、律が嫌なら、なしですこの話は。」
「…だって急展開すぎるじゃんか…。」
「い、いっぱい考えたんだってば。」
「うん。知ってるよ。怜花がいつも一生懸命向き合おうって、一個一個丁寧に考えてくれてること。真面目なことも、頑張って手を伸ばしてくれてることも。…だからね、怜花が怖いって思うこととか、不安だなって思うことを少しでも減らすために何かさせて。」
「な…にか…?」
「うん。何ができるかなっていつも探してる。怜花はさっきさぁ、俺に抱きしめてって言うこともキスしてって言うことも正当だって言ってたけど、怜花だってそういうの、俺に全然要求してないよ?俺が正当なら、怜花も正当でしょ?」
「っ…。」
お互いが同じ位置で、平等だと言うのなら確かに律の言う通りだ。だから、胸に秘めていて日に日に大きくなる、一人のときの『寂しい』をぶつけて、ずっと言えないでいる『もっと』を言うなら今なのかもしれない。
「…もっと、…って、言ってもいいの?」



