* * *
「…思っていたよりずっと筋肉質だったし。私ももっと鍛えておけばよかったな。前はもっと筋肉あったし、…護身術習ってたから。」
「護身術!?」
「ただジム行くよりいいかなって。辞めちゃったけど。…だから、もうちょっと引き締めておけばよかったかなって…思った。」
ちゃぷっと音を立てて、怜花は口元を湯船に沈めた。ほんのりと桃色に染まる頬が可愛くて、律は微笑みながら空いている方の手を怜花の頬に伸ばした。
「ちょっとはさ、かっこいいって思った?」
「?」
怜花は口元を沈めたまま、少しだけ首を傾げた。
「あんまり怜花の前でかっこよくいられたことがないからね、俺。」
律がそう言うと、怜花の口元がぱっと湯船から顔を出した。
「そんなこと…ない、けど。」
「かっこよかった時なんかあった?」
律は怜花の頬を親指でぷにぷにと押しながら尋ねた。情けない話だが、これまで散々泣かせているし、わがままを言って引き留めたことだって何度もある。一部の声優ファンに思われているようなクールでスマートな自分は怜花の前に登場した試しがないし、いわゆる男らしさなんかも出したことはない気がする。
「…男の人なんだなって…、あの、女だって思ってたとかじゃなくて、普段強い力で何かされたりとかってなかったから…その、うっかりしてて。」
「…うん。」
律は絡んだ指に力を込めた。するとすぐに握り返されて、少しだけ驚く。目の前の怜花の耳が赤く染まる。
「…今日もだけど、その、かっこいいっていうのは…外でデートしたり、並んで歩くときはちゃんと…思ってるよ。だから緊張するんだよ、外は。この人につり合わなきゃって思うから…。」
「…ほんと?」
「…嘘、つかない。」
「だよね。…そっかぁ。ちゃんと怜花に『かっこいい』って思われてたか~。甘えん坊の困ったやつって思われてたらどうしようかと思った!」
「…困ったやつとは思ってないけど、甘えん坊っていうか…甘えん坊だけど、甘やかしたがりでもあるから…。総じて甘い!律は甘々です!」
「甘えたくなっちゃうでしょ。手、ぎゅってしてくれんの、可愛すぎね?」
「こ、声っ!声っていう武器で甘やかすの、本当にずるいからね!」
「…思っていたよりずっと筋肉質だったし。私ももっと鍛えておけばよかったな。前はもっと筋肉あったし、…護身術習ってたから。」
「護身術!?」
「ただジム行くよりいいかなって。辞めちゃったけど。…だから、もうちょっと引き締めておけばよかったかなって…思った。」
ちゃぷっと音を立てて、怜花は口元を湯船に沈めた。ほんのりと桃色に染まる頬が可愛くて、律は微笑みながら空いている方の手を怜花の頬に伸ばした。
「ちょっとはさ、かっこいいって思った?」
「?」
怜花は口元を沈めたまま、少しだけ首を傾げた。
「あんまり怜花の前でかっこよくいられたことがないからね、俺。」
律がそう言うと、怜花の口元がぱっと湯船から顔を出した。
「そんなこと…ない、けど。」
「かっこよかった時なんかあった?」
律は怜花の頬を親指でぷにぷにと押しながら尋ねた。情けない話だが、これまで散々泣かせているし、わがままを言って引き留めたことだって何度もある。一部の声優ファンに思われているようなクールでスマートな自分は怜花の前に登場した試しがないし、いわゆる男らしさなんかも出したことはない気がする。
「…男の人なんだなって…、あの、女だって思ってたとかじゃなくて、普段強い力で何かされたりとかってなかったから…その、うっかりしてて。」
「…うん。」
律は絡んだ指に力を込めた。するとすぐに握り返されて、少しだけ驚く。目の前の怜花の耳が赤く染まる。
「…今日もだけど、その、かっこいいっていうのは…外でデートしたり、並んで歩くときはちゃんと…思ってるよ。だから緊張するんだよ、外は。この人につり合わなきゃって思うから…。」
「…ほんと?」
「…嘘、つかない。」
「だよね。…そっかぁ。ちゃんと怜花に『かっこいい』って思われてたか~。甘えん坊の困ったやつって思われてたらどうしようかと思った!」
「…困ったやつとは思ってないけど、甘えん坊っていうか…甘えん坊だけど、甘やかしたがりでもあるから…。総じて甘い!律は甘々です!」
「甘えたくなっちゃうでしょ。手、ぎゅってしてくれんの、可愛すぎね?」
「こ、声っ!声っていう武器で甘やかすの、本当にずるいからね!」



