* * *
時折頬に、そして唇に触れる律の唇が優しいままで、頭を撫でるその手が愛おしげで、そんなことをされたことがないからうまく微睡めないでいて、怜花は律の胸にきゅっと体を寄せた。
「…疲れた?寒い?」
首を横に振った。嬉しくて幸せで満たされて、でも戸惑う。終わった後に抱きしめられて、こんな甘くて優しい時間をどうやって味わったらいいのかわからなくて。
「…シャワー浴びてから寝る?それともお風呂、いれる?」
「律は…?」
「…んー…じゃあ、特別な日ついでにもう一個特別なお願いしてもいい?」
「…なに?」
「一緒にお風呂もやってみたい。」
「え…えっ!?」
突然の提案に、怜花は面食らった。全てを見て、触れられていない部分はきっとないと思えるほど一つずつ丁寧に触れられてもなお、恥ずかしさは無くなったわけではない。それに、男女でただ風呂に入るだけ、とはいかなかったこともある。恥ずかしさだけを煽られたことを思い出してしまえば、心の奥が冷えてしまいそうだった。
「あ、お風呂で延長戦とかそんなことは絶対言わないから安心して。一緒にお風呂ってものをやってみたいのと、あと髪洗ってあげたりとかそういうのもやりたいだけ。…疲れさせたでしょ?」
「…疲れたけど、それはお互い様じゃないの?」
「お互い様だけど、どう考えたって体の負担は女の子の方でしょ。体力的にも体格的にも。だからここからは甘やかしタイムに入りたい感じ。」
甘やかしタイムは怜花にとってはご褒美タイムだ。だから、気をつけないと貰い過ぎになってしまう。そう思っているのに律の声は不思議で、抗う意思を削いでいってしまう。
「…お風呂って、明るいじゃん…」
「暗くしてあげたいけど危ないからナシだねそれは。」
「…そう、だよね…」
「もう全部見たのに、恥ずかしい?」
「は、恥ずかしいよ!何言ってんの!?」
「んーそっかぁ。あ、じゃあさ、怜花先に入って、俺が入る前に俺のTシャツとか着ちゃえば?体洗ってからさ。スッキリしたら、Tシャツ着てザブンで。髪は俺がやりたいから洗わないでおいてね。」
あっさりと引っ込んだ律にまた何か、本当に求めたかったことを飲み込ませたのではないかと、一抹の不安がよぎる。怜花はその不安をそのまま口にした。
「…律はいいの、それで。」
「うん。あ、俺も何か着た方がいいの?」
「…み、見ないようにするから大丈夫!」
「え〜それは寂しいじゃん。じゃあなんか着ようかなぁ。怜花がこっち見てくんないんじゃ一緒に入る意味ないし。じゃあ怜花、ちょっと休んでてね。お風呂準備してくるから。飲み物も持ってくる。あったかいの?冷たいの?」
「う、動ける…!」
「動いてほしくないの。いいからじっとしててください。」
律はそれだけ言い残すと、すっと部屋からいなくなった。怜花は被らせられた布団の端をぎゅっと握った。
「…動けなくなるほどのことなんかされてないのに…過保護だよ。」
時折頬に、そして唇に触れる律の唇が優しいままで、頭を撫でるその手が愛おしげで、そんなことをされたことがないからうまく微睡めないでいて、怜花は律の胸にきゅっと体を寄せた。
「…疲れた?寒い?」
首を横に振った。嬉しくて幸せで満たされて、でも戸惑う。終わった後に抱きしめられて、こんな甘くて優しい時間をどうやって味わったらいいのかわからなくて。
「…シャワー浴びてから寝る?それともお風呂、いれる?」
「律は…?」
「…んー…じゃあ、特別な日ついでにもう一個特別なお願いしてもいい?」
「…なに?」
「一緒にお風呂もやってみたい。」
「え…えっ!?」
突然の提案に、怜花は面食らった。全てを見て、触れられていない部分はきっとないと思えるほど一つずつ丁寧に触れられてもなお、恥ずかしさは無くなったわけではない。それに、男女でただ風呂に入るだけ、とはいかなかったこともある。恥ずかしさだけを煽られたことを思い出してしまえば、心の奥が冷えてしまいそうだった。
「あ、お風呂で延長戦とかそんなことは絶対言わないから安心して。一緒にお風呂ってものをやってみたいのと、あと髪洗ってあげたりとかそういうのもやりたいだけ。…疲れさせたでしょ?」
「…疲れたけど、それはお互い様じゃないの?」
「お互い様だけど、どう考えたって体の負担は女の子の方でしょ。体力的にも体格的にも。だからここからは甘やかしタイムに入りたい感じ。」
甘やかしタイムは怜花にとってはご褒美タイムだ。だから、気をつけないと貰い過ぎになってしまう。そう思っているのに律の声は不思議で、抗う意思を削いでいってしまう。
「…お風呂って、明るいじゃん…」
「暗くしてあげたいけど危ないからナシだねそれは。」
「…そう、だよね…」
「もう全部見たのに、恥ずかしい?」
「は、恥ずかしいよ!何言ってんの!?」
「んーそっかぁ。あ、じゃあさ、怜花先に入って、俺が入る前に俺のTシャツとか着ちゃえば?体洗ってからさ。スッキリしたら、Tシャツ着てザブンで。髪は俺がやりたいから洗わないでおいてね。」
あっさりと引っ込んだ律にまた何か、本当に求めたかったことを飲み込ませたのではないかと、一抹の不安がよぎる。怜花はその不安をそのまま口にした。
「…律はいいの、それで。」
「うん。あ、俺も何か着た方がいいの?」
「…み、見ないようにするから大丈夫!」
「え〜それは寂しいじゃん。じゃあなんか着ようかなぁ。怜花がこっち見てくんないんじゃ一緒に入る意味ないし。じゃあ怜花、ちょっと休んでてね。お風呂準備してくるから。飲み物も持ってくる。あったかいの?冷たいの?」
「う、動ける…!」
「動いてほしくないの。いいからじっとしててください。」
律はそれだけ言い残すと、すっと部屋からいなくなった。怜花は被らせられた布団の端をぎゅっと握った。
「…動けなくなるほどのことなんかされてないのに…過保護だよ。」



