夜を繋いで君と行く

「次俺、聞いてもいい?」
「…う、うん。」
「え、警戒されてる?」
「されても仕方がない質問だったよ、さっきの!」
「え~ってか本来はさ、そういうところから多分距離近付けるんだよね?彼氏いますかとかどんな人がタイプなのとか。そういう台本、読んだことあるし。でもそういうのすっ飛ばしちゃったから、今回収してる。というわけで、今プレゼントされたら嬉しいものは?」
「…む、難しい…。」
「なんで?」
「人に…何かをねだったことがない、からかな…?」
「ぐぅー…またそういうことを言う…。」

 律の頭が怜花の肩に下りてきた。いつものようにぐりぐりやっているが、どうしてそうなってしまったのかはわからない。

「律…?」
「何でもねだってよ。俺だって善処するよ。」
「…な、なんだろう…本当にわかんないかも。必要なものは手元にあるし…新しくしたいものは…パジャマ…とか?」
「パジャマ…?」
「結構長く使ってるから毛玉とか多かったかもって思い当たっただけだから…プレゼントされても嬉しいけど!…うん、答え、パジャマで!」
「えー…いや、パジャマでもいいけど、他にないの?」

 そう言われて、怜花は真剣に考える。さっきからずっと真剣に考えてはいるが、そうポンポンとは浮かばない。趣味の範囲で欲しいものはあるが、それを律にねだるのは気が引けた。そしてふと、そういえばあったらよかったなと思ったものが最近あったことに気付く。

「…スカート。」
「スカート?」
「あっ、えっと、その…スカートを全然持ってなくて、本当は仕事っぽい服装じゃなくて、そういうその…女の子っぽい服装を…した方がいいときもあるのかなって思ったけど、可愛いものが似合わないから…なし!ごめん、変なこと言った!」

 律と一緒にいると緩む。緩み始めている。触れられてもはっきりと目が覚めなかったり、なぜかこの家だと眠くなってしまったり、色々とやらかしてしまっている。そしてついに、思っていたことが『言わなくていいことフィルター』を突き抜けて、出てしまった。

「…なんで?変なこと言ってないし、可愛いものは似合うよ。だって可愛いんだし。俺のセンスで選んでいいの?」
「いっ…いらないよ!なし!」
「んー…じゃあ言い方を変える。俺が選んだ服を怜花に着てほしいので、明日のデートでは怜花の服選ぼ。欲しいのあったら怜花も決めていいけど、スカートは絶対俺が選びます。パジャマも俺が選びます。色違いとかでお揃いにしよっかな。」
「ま、待って待って!多すぎる!だめ!」
「多すぎないよ。怜花は俺が余分に寝てた2時間、何してましたか?あんなにご飯作って、洗濯までしてさ。俺は寝てただけ。愛想尽かされてもおかしくないよね?ここは挽回すべきターンだと思うけど?」

 一気に律に畳みかけられる。こういう時、喋る仕事をしているだけあって律は妙に饒舌だ。