「好きな食べ物、答えたじゃん、俺。」
「そうだけど!合ってなくない?質問の質が…。」
「えー質問に質とかある?今回は一問一答交換スタイルでしょ?内容についてはフリーじゃん。」
「…ずるくない?」
「怜花も俺に質問していいよ、次の一手で。はい、怜花の好きなタイプは?」
ペンが止まってしまった。書き終えたからというのもあるけれど、こうやって改めて聞かれるとよくわからない。そもそも好みのタイプだから付き合った、という経験もないのかもしれない。言われるがままに付き合って、いつの間にか疲弊して終わらせてしまう。自分の好みすらこの年になってもあまりはっきりと認識していなかったことが今わかって、つい『ん-…』と鈍い声で唸ってしまう。
「…タイプとか、今までよく考えてなかった…みたい。えっと…そうだな…しいて言えば…。」
「うん。」
思わず律の腕に力が入る。そんな律の腕に、怜花は左手をそっと添えた。
「…きちんと話ができる人、かな。」
「…きちんと話ができない奴だったってこと、歴代の元彼たちは。」
「歴代のって言うと、猛者感出るね。」
「歴代の元カノって怜花が言いだしたんだよ?俺はそれを借りたまでですー!」
「そうだね。…うん、そう。きちんと話ができない人だったんだろうなぁって、私も含めて。言えないし、聞けないし、聞いてもらえないの。多分この見た目で、たくさん男を相手にしてきてるんだから、今更慣れてないものもないだろうしって相手は思ったんだろうけど。…でも、過去に彼氏がいたとしても、その人と過ごす時間も言葉も、その人とは全部初めてなのにね。」
「…っはぁー…自分で聞いておいてあれだけど、もう本当に嫌だ…怜花の元彼たち。」
随分と弱った律の声に、怜花は苦笑する。
「なんで律が嫌がるの。珍しいね、そんな声。初めて聞いたかも。」
「…嫌すぎるでしょ。繊細で優しすぎる人をそういう理由で踏みにじるの、殴ってなくても暴力…。」
「暗い話しちゃってごめん。落ち込まないの!律の苦手な食べ物、教えてください。」
怜花は努めて明るい声でそう聞いた。
「好きなタイプじゃなくていいの?」
「好きなタイプ…は…聞いてもそうなれるかわからないから、…今でも大してない自信がこれ以上削れていかないように聞かない方がいいかなって迷ってるところなので…。」
「そうなの?…まぁいいけど。苦手な食べ物は酢豚にパイナップルとか、生ハムメロンみたいなしょっぱいと甘いを混ぜたみたいなやつです!あと、寿司の光り物系?はあんまり好きじゃないかも。」
「あ、そうなんだ!魚は焼けば大丈夫?」
「うん。焼き魚は好き。」
「わかった!」
怜花のペンがさらさらとノートの上を滑っていく。怜花を抱きしめたままの律は、ゆっくりと怜花の香りを吸い込んだ。
「そうだけど!合ってなくない?質問の質が…。」
「えー質問に質とかある?今回は一問一答交換スタイルでしょ?内容についてはフリーじゃん。」
「…ずるくない?」
「怜花も俺に質問していいよ、次の一手で。はい、怜花の好きなタイプは?」
ペンが止まってしまった。書き終えたからというのもあるけれど、こうやって改めて聞かれるとよくわからない。そもそも好みのタイプだから付き合った、という経験もないのかもしれない。言われるがままに付き合って、いつの間にか疲弊して終わらせてしまう。自分の好みすらこの年になってもあまりはっきりと認識していなかったことが今わかって、つい『ん-…』と鈍い声で唸ってしまう。
「…タイプとか、今までよく考えてなかった…みたい。えっと…そうだな…しいて言えば…。」
「うん。」
思わず律の腕に力が入る。そんな律の腕に、怜花は左手をそっと添えた。
「…きちんと話ができる人、かな。」
「…きちんと話ができない奴だったってこと、歴代の元彼たちは。」
「歴代のって言うと、猛者感出るね。」
「歴代の元カノって怜花が言いだしたんだよ?俺はそれを借りたまでですー!」
「そうだね。…うん、そう。きちんと話ができない人だったんだろうなぁって、私も含めて。言えないし、聞けないし、聞いてもらえないの。多分この見た目で、たくさん男を相手にしてきてるんだから、今更慣れてないものもないだろうしって相手は思ったんだろうけど。…でも、過去に彼氏がいたとしても、その人と過ごす時間も言葉も、その人とは全部初めてなのにね。」
「…っはぁー…自分で聞いておいてあれだけど、もう本当に嫌だ…怜花の元彼たち。」
随分と弱った律の声に、怜花は苦笑する。
「なんで律が嫌がるの。珍しいね、そんな声。初めて聞いたかも。」
「…嫌すぎるでしょ。繊細で優しすぎる人をそういう理由で踏みにじるの、殴ってなくても暴力…。」
「暗い話しちゃってごめん。落ち込まないの!律の苦手な食べ物、教えてください。」
怜花は努めて明るい声でそう聞いた。
「好きなタイプじゃなくていいの?」
「好きなタイプ…は…聞いてもそうなれるかわからないから、…今でも大してない自信がこれ以上削れていかないように聞かない方がいいかなって迷ってるところなので…。」
「そうなの?…まぁいいけど。苦手な食べ物は酢豚にパイナップルとか、生ハムメロンみたいなしょっぱいと甘いを混ぜたみたいなやつです!あと、寿司の光り物系?はあんまり好きじゃないかも。」
「あ、そうなんだ!魚は焼けば大丈夫?」
「うん。焼き魚は好き。」
「わかった!」
怜花のペンがさらさらとノートの上を滑っていく。怜花を抱きしめたままの律は、ゆっくりと怜花の香りを吸い込んだ。



