* * *
朝ご飯を作り終え、なんなら片付けもし終えた。それらが終わっても律は起きてくる気配がなかった。そこで洗濯もこなし、風呂掃除まで済ませて丁度時計を見たところ、10時近くになっていた。年末までほぼ休みなく働いていた疲れはちゃんと蓄積されていたことが改めてわかる。とはいえ、おせちや雑煮を作りながら味見がてらつまみ食いをしていたものの、さすがに怜花もお腹が空いてきていた。食べた後にまた寝ていいから、朝ご飯兼お昼ご飯になりそうなそれを食べて、少しお腹を満たしたい。そう思って怜花は静かに寝室に足を踏み入れた。
(…寝てる。…起こしちゃ可哀想かな、やっぱり。でも明日の朝ご飯は一緒にって連絡してきてたし、…私が先に食べちゃったよって言ったら、拗ねる気がする。…なんとなくだけど。)
律は嘘は吐かないし、どんな些細なことでも一緒にやりたいと目を輝かせて答えてくれる人だ。そして記憶力は異常にいい。そんな律に対して自分はどうするべきか悩みながら、怜花はベッドに腰を下ろした。眠る律の顔を眺めていると、気が付けば自分の手がそっと律の頭に伸びていてハッとする。
(…思わず撫でちゃった…。…でも、寝顔は可愛いんだよね。普段は何でも先にいかれてしまうけど、寝てるときだけは…立場は同じっていうか、同じところにいる気がする。)
『もっと』と言ってくれるから、撫で続けられる。今日はその声はないけれど、嫌がられはしないだろうと自分の中で結論付けて、撫でる手は止めないでいた。
「…可愛いね、寝顔だけは。」
「…じゃあ他は、全部かっこいいっていう解釈でいい~?」
「!?起きてっ…」
「ちょっと前から起きてたんだけど、怜花が起こしにきてくれないかなーって思ってたらほんとに来てくれんだもん。寝たフリしちゃうよねぇ、そんなのさ。」
「わ、悪びれもなくそんなこと言って!起きてるなら食べようよ!お腹ぺこぺこだよ!」
「あ、怒った?」
「お、怒ってる!」
「怒ってないじゃん、全然。怒るときはもっと怒っていいんだよ。ふざけんなーって。」
「…り、律にしてもらってることに、全然私はつり合わないから…怒れないよ、恥ずかしいってだけじゃ。」
好きだと一度も言っていない。自分からキスをしたことはない。強く抱きついたことだってない。自分からできることはせいぜい頭を撫でることくらいで全く追い付いていないのだ。全部律任せで、律のしてくれることをただ受け入れるだけ。だから律のことを怒るなんてことはできないし、怒る理由だって見つからない。
「つり合ってるでしょーそんなの。ご飯作ってくれて、俺に安眠を提供してくれて、程よく近くに来てくれて、頭撫でてくれて。やりすぎじゃない?…怜花の方が頑張りすぎだよ。いいよ、いっぱい頑張らなくて。頑張ってくれてもいいけどさ、いっぱい頑張らなくても怜花が大事なの、変わんないよ、俺の中で。」
そう言うと律はゆっくりと体を起こした。
朝ご飯を作り終え、なんなら片付けもし終えた。それらが終わっても律は起きてくる気配がなかった。そこで洗濯もこなし、風呂掃除まで済ませて丁度時計を見たところ、10時近くになっていた。年末までほぼ休みなく働いていた疲れはちゃんと蓄積されていたことが改めてわかる。とはいえ、おせちや雑煮を作りながら味見がてらつまみ食いをしていたものの、さすがに怜花もお腹が空いてきていた。食べた後にまた寝ていいから、朝ご飯兼お昼ご飯になりそうなそれを食べて、少しお腹を満たしたい。そう思って怜花は静かに寝室に足を踏み入れた。
(…寝てる。…起こしちゃ可哀想かな、やっぱり。でも明日の朝ご飯は一緒にって連絡してきてたし、…私が先に食べちゃったよって言ったら、拗ねる気がする。…なんとなくだけど。)
律は嘘は吐かないし、どんな些細なことでも一緒にやりたいと目を輝かせて答えてくれる人だ。そして記憶力は異常にいい。そんな律に対して自分はどうするべきか悩みながら、怜花はベッドに腰を下ろした。眠る律の顔を眺めていると、気が付けば自分の手がそっと律の頭に伸びていてハッとする。
(…思わず撫でちゃった…。…でも、寝顔は可愛いんだよね。普段は何でも先にいかれてしまうけど、寝てるときだけは…立場は同じっていうか、同じところにいる気がする。)
『もっと』と言ってくれるから、撫で続けられる。今日はその声はないけれど、嫌がられはしないだろうと自分の中で結論付けて、撫でる手は止めないでいた。
「…可愛いね、寝顔だけは。」
「…じゃあ他は、全部かっこいいっていう解釈でいい~?」
「!?起きてっ…」
「ちょっと前から起きてたんだけど、怜花が起こしにきてくれないかなーって思ってたらほんとに来てくれんだもん。寝たフリしちゃうよねぇ、そんなのさ。」
「わ、悪びれもなくそんなこと言って!起きてるなら食べようよ!お腹ぺこぺこだよ!」
「あ、怒った?」
「お、怒ってる!」
「怒ってないじゃん、全然。怒るときはもっと怒っていいんだよ。ふざけんなーって。」
「…り、律にしてもらってることに、全然私はつり合わないから…怒れないよ、恥ずかしいってだけじゃ。」
好きだと一度も言っていない。自分からキスをしたことはない。強く抱きついたことだってない。自分からできることはせいぜい頭を撫でることくらいで全く追い付いていないのだ。全部律任せで、律のしてくれることをただ受け入れるだけ。だから律のことを怒るなんてことはできないし、怒る理由だって見つからない。
「つり合ってるでしょーそんなの。ご飯作ってくれて、俺に安眠を提供してくれて、程よく近くに来てくれて、頭撫でてくれて。やりすぎじゃない?…怜花の方が頑張りすぎだよ。いいよ、いっぱい頑張らなくて。頑張ってくれてもいいけどさ、いっぱい頑張らなくても怜花が大事なの、変わんないよ、俺の中で。」
そう言うと律はゆっくりと体を起こした。



