* * *
「…イベントの時って、そんなにラフなの?」
「多分衣装?というか多分服は用意されてるし、メイクさんはいるし、うん。時間より前にちゃんといれば問題ないよ。今日はMCもないし。好き勝手喋るだけだから。」
あっという間に出発の時間の5分前になった。玄関に向かう律に、怜花はそのままついていった。
「YouTubeで配信観れるみたいだから時間が合えば観るね。里依と会ってるときはちょっと無理かもだけど。」
「あ、ほんと?じゃあ張り切って喋ってくる。」
「張り切って喋るキャラじゃ…なくないの?」
「ないねー。振られたら喋るけど、ぐいぐいはいつもいかないな。あと、今日出るアニメとか漫画のキャラも全然、元気な奴いないからあんまり喋らないかも。」
「じゃあ、少ない喋りでぐっと惹きつけてこなきゃだね。ってことで、はい。」
「やった。今日のおやつ。」
怜花が焼いていたクッキーが10枚ほど入っている、小さなタッパーが渡された。律は受け取ると、にこっと笑った。
「…ありがと。あと、出かける前にもう1回ハグー。」
律が大きく深呼吸する音が怜花の耳の近くで聞こえる。怜花は律の頭に手を伸ばして、ポンポンと撫でた。
「…頑張って。夜ご飯は頑張っておくから、任せて。」
「楽しみにしてる。」
律がそっと腕を離す。そしてふと、玄関に飾られていたスノードームに視線を落として、怜花の方をパッと振り返った。
「これっ…!」
「スノードームだけじゃちょっと寂しいでしょ?家にあったの、持ってきたんだ。クリスマス感の演出ということで。」
スノードームの横には、小さなツリーが置かれていた。買ったものの結局大して飾らないで、家で腐りかけていたミニクリスマスツリーをこっそり持ってきた怜花は、律が準備をしている間に置いていた。いつ気付くかなと思っていたが、目ざとい律はあっさり気付いた。
「可愛い。…本当はクリスマスの飾りとか、色々一緒に見たかったし、怜花がどういうの好きかとかそういうのも知りたかったんだけど、…時間なかったから、来年リベンジさせて。」
「来年…。」
「そ。クリスマスは来年絶対色々リベンジ。あ、何その顔。…来年どころか、これから何度も一緒に過ごす予定なんで。初年度をミスっても、来年は超豪華な感じにします。半年くらい前から計画立てて。」
「そ、そんな気合入れなくていいよっ…!っていうか、早く行きなさい!」
「はーい。」
怜花はトン、と律の背中を押した。
「…行ってらっしゃい。」
「うん。行ってきます。」
律が満面の笑みを浮かべている。怜花も微笑み返す。パタンとドアが閉まっても、寂しくはなかった。
「…イベントの時って、そんなにラフなの?」
「多分衣装?というか多分服は用意されてるし、メイクさんはいるし、うん。時間より前にちゃんといれば問題ないよ。今日はMCもないし。好き勝手喋るだけだから。」
あっという間に出発の時間の5分前になった。玄関に向かう律に、怜花はそのままついていった。
「YouTubeで配信観れるみたいだから時間が合えば観るね。里依と会ってるときはちょっと無理かもだけど。」
「あ、ほんと?じゃあ張り切って喋ってくる。」
「張り切って喋るキャラじゃ…なくないの?」
「ないねー。振られたら喋るけど、ぐいぐいはいつもいかないな。あと、今日出るアニメとか漫画のキャラも全然、元気な奴いないからあんまり喋らないかも。」
「じゃあ、少ない喋りでぐっと惹きつけてこなきゃだね。ってことで、はい。」
「やった。今日のおやつ。」
怜花が焼いていたクッキーが10枚ほど入っている、小さなタッパーが渡された。律は受け取ると、にこっと笑った。
「…ありがと。あと、出かける前にもう1回ハグー。」
律が大きく深呼吸する音が怜花の耳の近くで聞こえる。怜花は律の頭に手を伸ばして、ポンポンと撫でた。
「…頑張って。夜ご飯は頑張っておくから、任せて。」
「楽しみにしてる。」
律がそっと腕を離す。そしてふと、玄関に飾られていたスノードームに視線を落として、怜花の方をパッと振り返った。
「これっ…!」
「スノードームだけじゃちょっと寂しいでしょ?家にあったの、持ってきたんだ。クリスマス感の演出ということで。」
スノードームの横には、小さなツリーが置かれていた。買ったものの結局大して飾らないで、家で腐りかけていたミニクリスマスツリーをこっそり持ってきた怜花は、律が準備をしている間に置いていた。いつ気付くかなと思っていたが、目ざとい律はあっさり気付いた。
「可愛い。…本当はクリスマスの飾りとか、色々一緒に見たかったし、怜花がどういうの好きかとかそういうのも知りたかったんだけど、…時間なかったから、来年リベンジさせて。」
「来年…。」
「そ。クリスマスは来年絶対色々リベンジ。あ、何その顔。…来年どころか、これから何度も一緒に過ごす予定なんで。初年度をミスっても、来年は超豪華な感じにします。半年くらい前から計画立てて。」
「そ、そんな気合入れなくていいよっ…!っていうか、早く行きなさい!」
「はーい。」
怜花はトン、と律の背中を押した。
「…行ってらっしゃい。」
「うん。行ってきます。」
律が満面の笑みを浮かべている。怜花も微笑み返す。パタンとドアが閉まっても、寂しくはなかった。



