「鮭とご飯って組み合わせでも普通にすっごい美味いのにさ、出汁茶漬けって…なにこの無限に食べれそうなさ…しかも家でできるんだ、こんな出汁茶漬けって。店でしか食べれないと思ってた。」
「…あのね、そんなに世の中の食べ物が店でしか食べれなかったら、大体の庶民は何も食べれないと思うけど?」
「それもそっか。…なんか、怜花のご飯ってちょっとひと手間入ってるっていうか、…少なくとも俺が家で食べてきたご飯の感じじゃないんだよね。」
「そうなんだ。…まぁでも、私も自分の親の作ってくれたものなんてほとんど覚えてないし、全部自分のためにやってる自己流だよ。自分がちょっといい思いをするために少しだけ頑張ったらできるものくらいの範囲で。」
「…それがなんか、すっごいしみるんだよね。…うん、美味しい。」
茶漬けを最後まで食べ終えて、律はそっと呟いた。そして怜花と目を合わせて、小さく微笑んだ。
「美味しい朝ご飯、ありがとう。しかも俺に合わせてめちゃくちゃ早起きまでしてさ。椎名さんと遊んで帰ってきたら、二度寝でも三度寝でもしててね。あ、そうだ。これ、カードキー。行く前に渡さなきゃって。これで出入り自由だから、いつ帰ってきてもいいし、いつ来ても大丈夫。」
「…簡単にこんなの、渡していいの…?」
「うん。簡単にっていうか、怜花にだけしか渡してないし。」
けろっとそう言って、律はお茶を飲み干した。
「洗い物とかも、しなくていいよ。帰ってきたら俺やるし。」
「や、やるよ!やっとくよそんなの!洗濯とかも律が気にしないなら全部やっておくし、律が2日間疲れを溜めないで仕事できるようにするのがこの2日間のミッションっていうか…。」
それがあるから自分の存在意義があるとも思っている。彼女である、という身分をもらっても何もしないで律に頼るだけの自分は嫌だった。できれば長く、一緒にいられる関係を作りたい。無理をしたいわけではないが、頑張れる範囲でやれることはやりたかった。
「…そんなにいっぱいさせたら、怜花のこと、こき使うために連れてきた人じゃん、俺。」
「違うよ!これは、私がしたくてしたいって言ってること!律はやんなくていいって言ってるけど、律には今日は仕事に専念してほしいの。それは…!」
ハッとした。その先を勢いで言ってしまうと、とんでもなく恥ずかしいことを口走るところだった。
「…それは、何?」
「な、なんでもない。」
「えー絶対嘘じゃん。なんで隠すの。何?何言われても大丈夫だって。」
「り、律は大丈夫でも、私は大丈夫じゃなかった!」
「え、どういうこと?」
「なんでもない!片付ける!」
怜花は自分の食器を持って、キッチンに避難した。律も食べ終わった食器を流しに運ぶ。怜花がスポンジを持ったのを確認した律は、後ろからぎゅっと怜花を抱きしめた。
「な、何!?」
律はわざと、怜花の耳元に唇を寄せた。『耳元で囁かないで』と言われたけれど、それを破るために。
「…あのね、そんなに世の中の食べ物が店でしか食べれなかったら、大体の庶民は何も食べれないと思うけど?」
「それもそっか。…なんか、怜花のご飯ってちょっとひと手間入ってるっていうか、…少なくとも俺が家で食べてきたご飯の感じじゃないんだよね。」
「そうなんだ。…まぁでも、私も自分の親の作ってくれたものなんてほとんど覚えてないし、全部自分のためにやってる自己流だよ。自分がちょっといい思いをするために少しだけ頑張ったらできるものくらいの範囲で。」
「…それがなんか、すっごいしみるんだよね。…うん、美味しい。」
茶漬けを最後まで食べ終えて、律はそっと呟いた。そして怜花と目を合わせて、小さく微笑んだ。
「美味しい朝ご飯、ありがとう。しかも俺に合わせてめちゃくちゃ早起きまでしてさ。椎名さんと遊んで帰ってきたら、二度寝でも三度寝でもしててね。あ、そうだ。これ、カードキー。行く前に渡さなきゃって。これで出入り自由だから、いつ帰ってきてもいいし、いつ来ても大丈夫。」
「…簡単にこんなの、渡していいの…?」
「うん。簡単にっていうか、怜花にだけしか渡してないし。」
けろっとそう言って、律はお茶を飲み干した。
「洗い物とかも、しなくていいよ。帰ってきたら俺やるし。」
「や、やるよ!やっとくよそんなの!洗濯とかも律が気にしないなら全部やっておくし、律が2日間疲れを溜めないで仕事できるようにするのがこの2日間のミッションっていうか…。」
それがあるから自分の存在意義があるとも思っている。彼女である、という身分をもらっても何もしないで律に頼るだけの自分は嫌だった。できれば長く、一緒にいられる関係を作りたい。無理をしたいわけではないが、頑張れる範囲でやれることはやりたかった。
「…そんなにいっぱいさせたら、怜花のこと、こき使うために連れてきた人じゃん、俺。」
「違うよ!これは、私がしたくてしたいって言ってること!律はやんなくていいって言ってるけど、律には今日は仕事に専念してほしいの。それは…!」
ハッとした。その先を勢いで言ってしまうと、とんでもなく恥ずかしいことを口走るところだった。
「…それは、何?」
「な、なんでもない。」
「えー絶対嘘じゃん。なんで隠すの。何?何言われても大丈夫だって。」
「り、律は大丈夫でも、私は大丈夫じゃなかった!」
「え、どういうこと?」
「なんでもない!片付ける!」
怜花は自分の食器を持って、キッチンに避難した。律も食べ終わった食器を流しに運ぶ。怜花がスポンジを持ったのを確認した律は、後ろからぎゅっと怜花を抱きしめた。
「な、何!?」
律はわざと、怜花の耳元に唇を寄せた。『耳元で囁かないで』と言われたけれど、それを破るために。



