「…あ、明日は。」
「うん。」
「明日の、…仕事は?」
「明日は午前中からで夕方で終わりだから、朝と夜は一緒に食べたい。で、夜に怜花の家に…送り…ます…。」
どんどん声が小さく、そして歯切れが悪くなっていくのが律らしくなくて面白い。怜花の口元には小さく笑みが浮かんだ。
「…なんで笑ってんの。全然笑えないんですけど。だって帰るわけじゃん、怜花が。」
「さすがに…お世話になりすぎだからね。」
「…嫌だなぁ。なんか、怜花が帰ったら居るっていうのを知っちゃったら、だめかも。知らないままだったらこんなわがまま、言わないで済んだのにね。」
律が苦笑する。怜花は思わず律の頭にそっと手を伸ばした。少しだけ撫でると、律は驚いたように一度目を見開いたが、すぐに柔らかいものに変わる。これには見覚えがある。『もっとやって』の時の顔だ。
「…ちゃんと家に帰っても、ご飯も食べるし、きちんと寝るよ。そこは心配しないでね。もう、大丈夫だから。」
「うん。怜花がちゃんとしてるってこと、俺もちゃんとわかってるよ。…問題は、むしろ俺。」
「律?」
律の頭が怜花の肩にぐりぐりと擦りつけられる。ぎゅっと抱きしめられて、距離はほぼゼロになり、耳元では『うー』と小さい唸り声が聞こえた。
「…帰っちゃうの、寂しい。いきなり無理ってわかってるけど、ずっと居てほしいって思っちゃう。…子供っぽいこと言ってるなって自覚はあるから、その方向からのつっこみはなしにしてね。」
「…また、…すぐ…来てもいいの?」
「え?」
律の顔が怜花の肩からがばっと上がった。至近距離で見つめ合うことには慣れないが、温かい腕の中にいることがもう好きになってしまっているので、頑張ってこの距離に慣れるしかない。
「いつ来てくれる?明後日?」
「え、いやそれじゃ家に帰る意味がないし…。次の日仕事がない日、かな。」
「じゃあ金曜か!金曜…金曜までならなんとか頑張れるか、俺も…。」
「金曜って今週の?」
「うん。あ、でも俺その後のイブもクリスマスも仕事だから、デートは…できない。ごめん。」
しっぽがぶんぶんと大きく振られているように見えたり、しゅんとしたたれ耳が見えるかのようにしょげてしまったりと、律は百面相だ。それもまるで大型犬のような。そんな大型犬に、怜花はくすっと笑みを落としてから、口を開いた。
「うん。」
「明日の、…仕事は?」
「明日は午前中からで夕方で終わりだから、朝と夜は一緒に食べたい。で、夜に怜花の家に…送り…ます…。」
どんどん声が小さく、そして歯切れが悪くなっていくのが律らしくなくて面白い。怜花の口元には小さく笑みが浮かんだ。
「…なんで笑ってんの。全然笑えないんですけど。だって帰るわけじゃん、怜花が。」
「さすがに…お世話になりすぎだからね。」
「…嫌だなぁ。なんか、怜花が帰ったら居るっていうのを知っちゃったら、だめかも。知らないままだったらこんなわがまま、言わないで済んだのにね。」
律が苦笑する。怜花は思わず律の頭にそっと手を伸ばした。少しだけ撫でると、律は驚いたように一度目を見開いたが、すぐに柔らかいものに変わる。これには見覚えがある。『もっとやって』の時の顔だ。
「…ちゃんと家に帰っても、ご飯も食べるし、きちんと寝るよ。そこは心配しないでね。もう、大丈夫だから。」
「うん。怜花がちゃんとしてるってこと、俺もちゃんとわかってるよ。…問題は、むしろ俺。」
「律?」
律の頭が怜花の肩にぐりぐりと擦りつけられる。ぎゅっと抱きしめられて、距離はほぼゼロになり、耳元では『うー』と小さい唸り声が聞こえた。
「…帰っちゃうの、寂しい。いきなり無理ってわかってるけど、ずっと居てほしいって思っちゃう。…子供っぽいこと言ってるなって自覚はあるから、その方向からのつっこみはなしにしてね。」
「…また、…すぐ…来てもいいの?」
「え?」
律の顔が怜花の肩からがばっと上がった。至近距離で見つめ合うことには慣れないが、温かい腕の中にいることがもう好きになってしまっているので、頑張ってこの距離に慣れるしかない。
「いつ来てくれる?明後日?」
「え、いやそれじゃ家に帰る意味がないし…。次の日仕事がない日、かな。」
「じゃあ金曜か!金曜…金曜までならなんとか頑張れるか、俺も…。」
「金曜って今週の?」
「うん。あ、でも俺その後のイブもクリスマスも仕事だから、デートは…できない。ごめん。」
しっぽがぶんぶんと大きく振られているように見えたり、しゅんとしたたれ耳が見えるかのようにしょげてしまったりと、律は百面相だ。それもまるで大型犬のような。そんな大型犬に、怜花はくすっと笑みを落としてから、口を開いた。



