* * *
「あの、ね…。」
「うん。」
何が食べたいか、ここ1週間の律のスケジュール、そんな話をしていたらもうすぐ怜花の家に着く、というところまで来た。近くの駐車場を探す道すがら、怜花は口を開いた。
「私ばっかりが律の家にあげてもらってるのは、フェアじゃないかな…って、思って。」
「え、うん?いきなりどうしたの。」
「…律の家みたいに広くないし、何の個性もない普通の部屋だけど、あがって…いく?」
一度も律をあげなかったのは、何の関係もない自分が万が一、誰かに見られたり、記事になってしまった時に迷惑をかけてしまうと思ったからだった。その気持ちがなくなったわけではないが、今は何の関係もない自分、だとは思いたくなかった。
「…いいの?」
「…一緒に入るところが見られたらまずい…とは思うんで、何かしら対策はしてほしいところではあるんだけど…。」
「マスクもあるし、上着もあるよ。なんか適当な帽子も入ってた気がする。」
「…準備良くない?」
「いつもそういうものは車に適当に積んでるんだって。じゃあ、10分くらい待ってから行く。それでいい?」
「寒いのに待たせちゃってごめんね。車の中であったかくしててね?」
「それは全然。…楽しみ、怜花の部屋。」
「…期待しないでね。律の家ほど何もないわけじゃないけど、何かがあるわけでもないから。」
「期待しないなんて無理じゃない?…初めてのものは、ワクワクするじゃん。」
子供っぽい笑顔が、可愛く見える。よく見ると、律の耳がほんのりと赤かった。
まだまだ手探りだ。昨日の夜も、今日の朝も。何が嬉しくて、何が好きで、何で照れるのかもわからない。でもその一つ一つを見つけていくことは、怖いことではない。怜花の口元が自然に緩んで、ふわりと笑顔が浮かんだ。
「…ゆっくり来てね、律。」
「うん。」
怜花は後ろを振り返らず、自分の部屋に向かう。空気の冷たさは、昨日ほど気にならなかった。
「あの、ね…。」
「うん。」
何が食べたいか、ここ1週間の律のスケジュール、そんな話をしていたらもうすぐ怜花の家に着く、というところまで来た。近くの駐車場を探す道すがら、怜花は口を開いた。
「私ばっかりが律の家にあげてもらってるのは、フェアじゃないかな…って、思って。」
「え、うん?いきなりどうしたの。」
「…律の家みたいに広くないし、何の個性もない普通の部屋だけど、あがって…いく?」
一度も律をあげなかったのは、何の関係もない自分が万が一、誰かに見られたり、記事になってしまった時に迷惑をかけてしまうと思ったからだった。その気持ちがなくなったわけではないが、今は何の関係もない自分、だとは思いたくなかった。
「…いいの?」
「…一緒に入るところが見られたらまずい…とは思うんで、何かしら対策はしてほしいところではあるんだけど…。」
「マスクもあるし、上着もあるよ。なんか適当な帽子も入ってた気がする。」
「…準備良くない?」
「いつもそういうものは車に適当に積んでるんだって。じゃあ、10分くらい待ってから行く。それでいい?」
「寒いのに待たせちゃってごめんね。車の中であったかくしててね?」
「それは全然。…楽しみ、怜花の部屋。」
「…期待しないでね。律の家ほど何もないわけじゃないけど、何かがあるわけでもないから。」
「期待しないなんて無理じゃない?…初めてのものは、ワクワクするじゃん。」
子供っぽい笑顔が、可愛く見える。よく見ると、律の耳がほんのりと赤かった。
まだまだ手探りだ。昨日の夜も、今日の朝も。何が嬉しくて、何が好きで、何で照れるのかもわからない。でもその一つ一つを見つけていくことは、怖いことではない。怜花の口元が自然に緩んで、ふわりと笑顔が浮かんだ。
「…ゆっくり来てね、律。」
「うん。」
怜花は後ろを振り返らず、自分の部屋に向かう。空気の冷たさは、昨日ほど気にならなかった。



