と考えていた。
 思い出すと、波原さんの家にいた時休みはあまりなくて、ひたすら修行修行修行の毎日だった。
 辛くはなかった。修行は楽しかったし、翠くんと一緒にするのはもっと楽しかったなぁ……。
 そうだ。それなら、修行を近くの公園とかでしようかな……。
 色々考えていると、ピロリンっと私のスマホが鳴った。
 わ、なんだろう。
 見ると、波原さんからのメールだ。珍しい。
【今何をしている】
 波原さんが何を聞きたくてメールしてきたのか分からないけれど、私は正直にメッセージをうつ。
【休みを貰えたので、修行をやろうかと思っていたところです】
【奏や玄はどこにいるんだ】
 玄さんや奏さまのことを訊かれて、メッセージをうつ指が止まった。
 情報をもらすことは、正直嫌だけど……私は波原さんに逆らえない。
【玄さまは、ご兄弟で出かけると言っていました】
【そうか。では、尾行してこい】