朝、私はいつも通り仕事着に着替えてから調理場へ向かった。
「おはようございます!」
「わ〜、おはよう柚希ちゃん!」
「おはよう」
「……はよ」
 全員もう来ていた。なるべく早めに来るようにしてるけど、いったいみんなは何時に来ているのだろう……。
 まぁ、昨日の玄さんの言葉のことずっと考えていて寝不足だったから、今日はいつもより遅くなってしまった。
 そういえば、今から玄さんのことを起こしに行くと思うと気が重い……。どんな顔して会いに行けばいいの……?
 でも仕事だしなぁ……。
「あの、私もう行ってきます」
「あぁ、今日はいいわ。玄さまはもう起きてるから」
「えっ」
 起きてる……!?
 そんなの初めてだ……。
「今日は、ご兄弟でお出かけみたいでね。そうだ、あなたたちも特別にこの掃除やったら夜ご飯作る時間帯まで休んでていいわよ〜」