何人か先輩たちの自己紹介が終わり、次に口を開いたのは……玄さまだ。
「三年二組、紗雪玄。意気込みは……なし」
なし……?
今まで自己紹介してきた中で意気込みがないなんて初めてで、ざわっと周りが騒がしくなる。
でもその声の中に、「クールでかっこいい」などが紛れているのはさすがとでも言っておこう。
「はいはい! 意気込みはなくても構わないよ! どんどん進めちゃってくださーい!」
実行委員長さんがそう言って、玄さまの自己紹介は流れていった。まだ一部の女の子たちは玄さまをうっとりと見つめている様子だったけれど。
「一年五組、赤木翔です! 色々な人に明るいと言われているので、ムードメーカー的存在になれたらな〜と思います! よろしくお願いします!」
何人もの人の自己紹介のあと、翔くんの自己紹介も終わって、ついに私の番が来た。
背筋を伸ばし、口を動かす。
「一年五組、雨雅柚希です。お恥ずかしながら人前に立つことは苦手なのですが、裏方などで役に立てたらなと思います……! よろしくお願いします」
か、噛まずに言えた……!
翔くんみたいにハキハキと明るく言うことはできなかったけれど、私の中では及第点っ……。
心の中でガッツポーズしていると、私が最後だったらしく、実行委員長さんは時計を見ながらうーんと唸った。
「あれー、今日は顔合わせだけで終わらせようと思ったんだけど、時間余っちゃったな。そうだ、明日決めようと思ってた役割、決めちゃおっか」
「三年二組、紗雪玄。意気込みは……なし」
なし……?
今まで自己紹介してきた中で意気込みがないなんて初めてで、ざわっと周りが騒がしくなる。
でもその声の中に、「クールでかっこいい」などが紛れているのはさすがとでも言っておこう。
「はいはい! 意気込みはなくても構わないよ! どんどん進めちゃってくださーい!」
実行委員長さんがそう言って、玄さまの自己紹介は流れていった。まだ一部の女の子たちは玄さまをうっとりと見つめている様子だったけれど。
「一年五組、赤木翔です! 色々な人に明るいと言われているので、ムードメーカー的存在になれたらな〜と思います! よろしくお願いします!」
何人もの人の自己紹介のあと、翔くんの自己紹介も終わって、ついに私の番が来た。
背筋を伸ばし、口を動かす。
「一年五組、雨雅柚希です。お恥ずかしながら人前に立つことは苦手なのですが、裏方などで役に立てたらなと思います……! よろしくお願いします」
か、噛まずに言えた……!
翔くんみたいにハキハキと明るく言うことはできなかったけれど、私の中では及第点っ……。
心の中でガッツポーズしていると、私が最後だったらしく、実行委員長さんは時計を見ながらうーんと唸った。
「あれー、今日は顔合わせだけで終わらせようと思ったんだけど、時間余っちゃったな。そうだ、明日決めようと思ってた役割、決めちゃおっか」

