するとすっかりこの話し合いの中心となった梨花ちゃんが、「なら」とまた声を出す。
 気のせいかもしれないけれど、梨花ちゃんと目が合った。
「柚希ちゃんとかどうかな? 大人しいけど、翔くんと紗奈といつも一緒にいるし、梨花の勘だといざとなったら誰よりも行動力のある子だと思うんだよね」
 えっ……?
 まさか私が推薦されると思わなくて、目を瞬く。
 私……? しかも、いざとなったら誰よりも行動力のある子って……それは言い過ぎだと思うっ……。嬉しいけど……。
 視線が私に集まってしまって、居心地が悪い。
 どうしよう……。
「ちょっと! 柚希ちゃんは注目されることが苦手なの! 推薦するなら違う子にしてよね!」
 俯いていると、紗奈ちゃんがそう言ってくれて、私はそっと顔をあげる。
 紗奈ちゃん……。
 ありがとう、と口だけ動かすと紗奈ちゃんに届いたらしく、にこっと笑ってくれた。
 でも、梨花ちゃんは紗奈ちゃんを見て口を尖らせてしまった。
「紗奈が口出すことないでしょ。これは、本人が答えるべき。ね、柚希ちゃんはどうしたいの?」
 梨花ちゃんにまっすぐと見つめられて、私はびくっと反応した。