好きになっちゃ、いけない。〜イケメン主は家政婦兼最強スパイちゃんを溺愛したい〜

 ホームルームが終わり、一限目の授業の準備をしようとしていた時。先生が「ちょっと待て」と言いみんなを引き止めた。
 なんだろう……?
「一限目を始める前に、決めておきたいことがある。二ヶ月後にある、合唱祭の実行委員のことだ」
 先生の言葉に、わっと周りが騒がしくなった。
 合唱祭は、この学校・私立花愛(かあい)中学校が毎年力を入れている行事。その名の通り、クラスごとに合唱をし発表するんだ。
 それの、実行委員か……。
「実行委員は、合唱祭を進めるために一番重要な人物となる。だから、それだけ責任も重い。クラスから男女一人ずつ出すことになっているが、誰かやりたい人は?」
 先生が周りを見渡す。それと同じタイミングで、サッと顔をふせるみんな。
 やりたくない、という心情がそのまま伝わってきそうだ。
 うぅ……苦手だなこの空気。でも、私も人に注目されるのは苦手だから立候補なんて出来ない……。
 先生はそんな私たちを見て、困ったように眉をひそめた。
「立候補者がいないのなら、推薦でもいいのだが──」
「あっ、ならはーい!」
 先生の言葉を遮って、クラスに響いた大きな高い声。
 全員の視線が声のした方へ集まる。