「翔と同レベルなんてムカつく!」
「こっちのセリフだ!」
 またわいわい始めた二人。
 あはは……。まぁ、喧嘩するほど仲がいいって言うもんねっ!
 でも、これだけは伝えなきゃと思い口を開く。
「あのね、二人とも私にとってすごくすごく大切な友達だよ。だから、いつもこんな私と仲良くしてくれて……ありがとう」
 精一杯の感謝を込めて微笑むと、二人はやり合っていた口を止めこちらを見る。
 次の瞬間、バッと紗奈ちゃんに抱きつかれた。
 翔くんも、心なしか少し頬を染めながら私の方へ一歩近づく。
「柚希ちゃんかわいい〜っ! 好き〜っ! こちらこそ、いつも仲良くしてくれてありがとう!」
「柚希。そ、その、俺も、ありがとう」
 ありがとうを返されてしまって、私はもっともっと笑顔になった。
 やっぱり……紗奈ちゃんと翔くんといると、心が温かくなるな。
 大好きな友達にはさまれながら、私は改めて幸せを噛み締めた。