あのあと普通に学校に登校して、放課後。
 空き教室に足を踏み入れる前、玄さんを見つけてドキッと心臓が鳴った。
「柚希? どうかした?」
「う、ううんっ、なんでもない!」
 平常心平常心、いつもと同じようにいれば大丈夫っ……!
 私は心を落ち着かせてから空き教室の中へ入る。
 すると、あれ……玄さんがこちらへ来ている……ような?
 玄さんは私の前に来ると、ふわっと優しく微笑んだ。
「柚希。待ってた」
 ちょ、ちょっと玄さんっ……!
 予想通り、周りからきゃぁぁっと黄色い声があがる。
「え、なになに? あの子と玄先輩、どういう関係?」
「確か……雨雅ちゃんだっけ?」
「なんで〜!?」
 やっぱり、そうなりますよねっ……。