……私と、同じだ。
私は確か二歳ぐらいの頃に親が二人とも亡くなってしまって、年長まで児童養護施設で育って。それを波原さんが見つけて、ここまで育ててくれた。
「玄さまがいなかったら僕たちは今ここにいなくて。僕たちに幸せを教えてくれた恩人なの」
桜水くんはにこっと、言葉の通り幸せそうに微笑む。
「だから、実を言うと玄さまは、お兄ちゃんに近い存在なんだ〜! だから玄さまより、玄お兄ちゃん?」
こてんとかわいらしく首をかしげた桜水くん。
主じゃなくて、お兄ちゃんに近い存在か……。
なんか、いいな……その関係。
「って、これ杏さんには内緒ね! 主さまのことお兄ちゃんなんて呼んだってバレたら、雷落とされちゃうから」
あわてて言った桜水くんに、私は微笑む。
やっぱり、ここは最初に思った通り温かいところだ。
スパイとして来てしまったけれど、ここに来られてよかったと思った。
「ふふっ……うん!」
満面の笑みで答えると、桜水くんは驚いたように目を瞬き……少し顔を赤くする。
どうしたんだろう……? あ、もしかして、風邪かなっ……?
私は確か二歳ぐらいの頃に親が二人とも亡くなってしまって、年長まで児童養護施設で育って。それを波原さんが見つけて、ここまで育ててくれた。
「玄さまがいなかったら僕たちは今ここにいなくて。僕たちに幸せを教えてくれた恩人なの」
桜水くんはにこっと、言葉の通り幸せそうに微笑む。
「だから、実を言うと玄さまは、お兄ちゃんに近い存在なんだ〜! だから玄さまより、玄お兄ちゃん?」
こてんとかわいらしく首をかしげた桜水くん。
主じゃなくて、お兄ちゃんに近い存在か……。
なんか、いいな……その関係。
「って、これ杏さんには内緒ね! 主さまのことお兄ちゃんなんて呼んだってバレたら、雷落とされちゃうから」
あわてて言った桜水くんに、私は微笑む。
やっぱり、ここは最初に思った通り温かいところだ。
スパイとして来てしまったけれど、ここに来られてよかったと思った。
「ふふっ……うん!」
満面の笑みで答えると、桜水くんは驚いたように目を瞬き……少し顔を赤くする。
どうしたんだろう……? あ、もしかして、風邪かなっ……?

