って、よく見たらあれ私のスマホだ……! 調理場に置きっぱなしにしてたやつ……。
 そして、その画面を見たとたんさぁぁっと血の気が引いた。
 スクリーンショットぽいもの。なにを撮ってるのかというと……「波原さん」から電話がかかってる時のやつだ。
 私が茜さまの部屋にいるうちに、電話がかかってきてたんだ……!
 そしてそれを、杏さんとかに見られて、奏さまに連絡した……と。
 つまり、う、嘘でしょっ……バレた……!
「話は違う部屋でしようか。ついてきなさい。まさか逃げるなんてこと、考えないように」
「……っ、はい」
「さすが株式会社namiharaの社長が雇っただけあるな。冷静だ」
 い、今ここで褒められても嬉しくありませんっ……!
 私は心の中で騒ぎながら、大人しく奏さまについていく。
 すると、手首を後ろから掴まれた。驚いて振り向くと、茜さまだ。
「……この子をどうする気、父さん」
「茜には関係ないだろう?」
「関係あるね」