「え？　でもまだ、きがえの時間じゃ……」
「いーから！」
　そのままぐいぐいと押され、部屋から出されてしまった。
　茜さまは私に向かって微笑む。
「行ってらっしゃい！」
　完璧すぎるウインクを私に見せつけてから、ドアは閉まってしまった。
　行ってらっしゃいって……もしかして、玄さんと仲直りしてきてって言ってる？
　茜さまの親切なのかもしれないとわかって、感謝の気持ちがあふれた。
「ありがとうございます……！」
　聞こえてないかもしれないけど、私は口に出してお礼を言った。


　＊