「坂巻さん! 久しぶり」

 坂巻さんはあんまり話したことがない。 

 なんでかって言うと、坂巻さんは属に言う一匹狼だから。クールっていうのかな。

 私は話してみたいと思ってるんだけどね。

「自由研究?」

 私の手元の本をみていった。

「う、うん。テーマがまだ決まってなくて」

 ほんとにどれにしよう。どれもめんどくさそう……。

「坂巻さんは終わったの?」
「うん。夏休み入ってすぐに終わらせたよ。」

………!! ソウナノ…カクガチガウ……

「サ、さすが、すごいね!」

 夏休みが終わるまであと二週間と少し。テーマを決めることすらまだできてない。絶望的……。

「あの、手伝おうか?」
「本当?」

 まさか、坂巻さんが手伝ってくれるの?

「私でよければだけど」
「ええっ! ありがとう〜〜っ!」

 坂巻さんが言った。

「あと、苗字じゃなくて夏帆。夏帆って呼んで。」 
「うん。じゃあ私も、実里って呼んでね」

 坂巻さん……じゃなくて、夏帆ちゃんがいたら、百人力だ!!