その後私は公園に湊を呼び出した。

湊がジャージ姿で公園にやってくる。

「ごめん、お待たせ。どうかした?」


「私……全部思い出した、」


「思い出した?……何を、

もしかして、保育園の時?」

「うん、ごめんね、ずっと待たせて、
湊は思い出せようとしてくれてたんだよね」

「俺もごめん、俺のせいで」

湊が苦しそうに顔を歪める。

「……うん、」

「莉奈。莉奈は今どんな気持ち?
まだ俺のこと好きでいてくれてる?」

「……」

「それとも、もうあいつに気持ち行っちゃった?」


「……」


「莉奈……」

「私、分からないの……昔の私は確かに湊が好きで……だけど記憶を無くしてからは

奏多の事ばっか好きで……だから、


分からなくて……っ 」