「莉奈は俺がいなきゃ……っ」
「さっきと同じことばっか言ってんじゃねえよ!!」
湊が1歩踏み出して、奏多が腕を振り上げる…
『お、お前ら……何やってんだ!』
教室の扉が勢いよく開いて、クラス委員の
悠真が飛び込んできた。
「殴り合いでもする気か?!ここ学校だぞ、!」
「……っ」
「……チッ」
悠真は『やれやれ』と言わんばかりに深くため息を吐きながら額に手を当てる。
「莉奈も、泣いてんじゃん……何したんだよお前ら、」
悠真はチラリと2人を交互に見て
「とりあえず、今日はこれで解散。いいな?」
教室内の重い空気は消えたようでまた余韻が残っている。
止めてもらえて嬉しいのに、
どうして私は二人の言葉にまだ揺れているんだろう。



