どっちの愛も、重すぎて息ができない。

近づいてくる湊はいつもの明るい笑顔じゃなくて

どこか切なげに目を細めて私のことを見つめていた。

「顔色、悪いよ。」
まるで壊れ物に触れるみたいに優しく
頬に手を当てる。

「無理してるんだろ、?」

どうして分かるの、

胸の奥がギュンギュンと詰まって声が出ない
頬に触れる湊の指先の熱がジンジンと
伝わってきて頬に涙が伝う。


夢で聞いた同じような声の響きに心臓が跳ねる。

あの夢は、あの夢の人は……湊なの?