莉奈side

夜……寝れなかった。

目を閉じると舞台でのキスよりも
湊の言葉が強く脳裏に残っていた。

『大きくなっても、ずっと一緒にいて』

そんな約束した覚えは全くない。
でも、

夕暮れの公園、
一人で泣きじゃくる小さな私、
そこに誰かが駆け寄ってきて、

『泣くなよ、俺が守るから』

暖かい手がギュッと私の手を握ってくれている。

──誰?

「……っ!?」

気づくと眠りに落ちていたみたいだ。
布団をギュッと握りしめる。

心臓がバクバクと音を立てて鳴っている。

どうして顔だけを思い出せないの、?