奏多side

文化祭はもう終わったけど、教室の中はまだ余韻で騒がしかった。

俺も助っ人として舞台に出たため打ち上げに呼ばれた。


みんなは舞台のシーンで盛り上がっている。
俺が莉奈にアドリブでキスしたシーンのこと


当然でしょ。あれで莉奈は俺のものだって
誰にでも理解できたはず、

舞台上のアドリブなんて勢いにしか見えないだろうけど、俺にとっては大きな宣言のつもりだった。

莉奈は俺の恋人……俺だけを見てればいい。


……なのに、なのに、!

『莉奈、さっき湊と一緒に出ていったよな?どこ行ったんだろ』クラスメイトの言葉に
耳を澄ました。

そういえばさっきからあの二人の姿が見えない。

またあいつ……、