どっちの愛も、重すぎて息ができない。

***

「姫を守るためなら、この命を捨てても構わない」

真剣な表情で奏多が台詞を言う。

その真っ直ぐな瞳に思わず吸い込まれてしまいそうになる。

「莉奈…照れすぎ。もっと相手のことちゃんと見て」

「だ、だって…!」

顔がパーッと熱くなって思わず視線を逸らすと

「目逸らさないで。俺から逃げないの」

耳元で囁かれて心臓がドクンと跳ねる。

これはただの練習なのに、ドキドキし過ぎて苦しい…。