文化祭本番まであと一週間。 放課後の体育館には舞台のセットが 組まれていた。 「莉奈、ちょっと練習付き合ってよ」 「え?…奏多。なんで奏多が台本を」 「…なんでヒロインが聞いてないんだよ。 この前言ったでしょ休んでる奴の代わりで助っ人って」 「え?でもそれって準備だけじゃ」 「なんか『奏多くんだったらこの役にぴったり!』とか言ってほぼ無理やり台本渡されたんだよ。」 奏多が裏声で再現しながら言う。 「…そうなん、だ。分かった。練習しよう」