それから少し月日が経って

我らの学校に『文化祭』という行事が近づいてきた。

放課後の教室は文化祭の準備で大騒ぎしていた。


私たちのクラスは劇をすることになっていて、何故か私がヒロイン役に決まってしまったのだ。


『莉奈なら絶対似合うって〜』
『お姫様役にぴったりだよ!』

クラスメイトの声に苦笑いを返しながら
衣装を抱え、舞台の小道具を眺めていると

「お姫様か〜懐かしいなあ〜」

後ろから声がして振り向くと湊が立っていた。