どっちの愛も、重すぎて息ができない。

その夜家族と夕食を食べていると


母が何気なく口にした。

『そういえば、相沢くんって転校生…莉奈の幼馴染でしょ?懐かしいわね〜』

箸を動かす手が止まった。


「…幼馴染…?」

『そうよ。公園でよく遊んでいたでしょう?』

「え?保育園が一緒ってだけじゃ、」

それ以外に接点なんてなかったはず、


『湊くん。すっごく優しくていつも莉奈のこと守ってくれてたのよ』

母は楽しそうに話すけれど、私は頭の中が真っ白になっていた。

そんな記憶…ない。保育園が一緒で

『おはよう』と挨拶を交わす程度だったはず、

な、なんで覚えていないの?