どっちの愛も、重すぎて息ができない。

そのまた翌日。

私は委員会で少し遅くなり、みんなが帰った後の静まり返った教室で帰りの支度をしていました。

すると足音が聞こえて、その方向に目をやると


湊が教室のドアにもたれかかっていた。

「莉奈。今日は一緒に帰ろうよ」

「…奏多が、心配しちゃうから、」

そう口にすると、ふっ、と湊が笑った。


「まだあいつの言うこと聞いてんの?」

「え、?」


「莉奈、あんな重いヤツに縛られて息苦しくない?」

図星を突かれて言葉が詰まる。

すると湊は近づいてきて私の髪をそっと指に絡めた。