誘拐されたと悟った私は先ず、お兄ちゃん達には何もしていないのだろうか?を確認した。
「何もしておりません。あちらの方々は瑚莉様が突然消えたという認識でいらっしゃるでしょう」
そう答えた長身のイケメンは混乱する私を落ち着かせようと、紅茶という飲み物を渡して来た。
私は紅茶には一切手をつけずに、饒舌に自己紹介をする来夢というに尋ねた。
「…人間も魔法って使えるの?」
「いいえ、使えませんよ」
「じゃあ、どうしてお兄ちゃん達に私の声は届かなかったの?」
「結界ですよ」
「魔法は使えないんじゃなかったの?」
「確かに我々は魔法は使えません。ですが、呪文というものやおまじないといった術は使える者も居るのですよ」
「なるほど…」
「瑚莉様も修行すれば使えるようになりますよ。さて、歩夢」
「なぁに?兄様」
来夢が指を鳴らし、歩夢と呼ばれた美少年は可憐な出で立ちの彼は一瞬、私を見ると会釈をした。
「歩夢、瑚莉様をお部屋まで案内して差し上げて。国王様と王妃に報告も忘れずにお願いしますね」
「かしこまりました。瑚莉様、ではお部屋までご案内致します」
しばらく部屋で待機した後、夕飯に呼ばれた私は来夢と歩夢と共に長い廊下を歩いていた。
「瑚莉?」
「…?誰ですか?」
「…まぁ、そうだよな。覚えてるわけないよな…はじめまして、僕は君のお父さんだ」
「…!お父さん…」
「あぁ…瑚莉、やっと会えた…」
自分のことを私のお父さんだと自称した温厚そうなおじさんは、私を抱きしめしばらく固まって居た。
だが、私にとってパパは魔王に仕えるパパだけであって、このおじさんがお父さんだと言われても、実感が湧かなかった。
「…あの」
「あぁ、瑚莉は複雑だよな。すまなかった…突然名乗り出たおじさんが父親だって言い出したら、誰だって困惑するよな」
「それじゃあ…来夢、歩夢。瑚莉のことをよろしく頼むな」
「「かしこまりました」」
そう言い残して私の父親だと名乗ったおじさんは先に居間の扉を開けて入室した。
ご飯を食べ終わり、用意された自分の部屋に帰ると私はどっと疲れが出てそのまま眠りに着いた。
しばらくして喉の渇きで目覚めると、私は水分を求めて来夢と歩夢を捜す為に部屋を出て長い廊下を歩き出した。
部屋から出て先ずは隣の部屋の引戸を開ける。
「あ…あの来夢さん」
「はい。どうされました?」
「少し喉が渇いて」
「でしたら、私が飲み物をお持ち致しますので、少々お待ちください」
そう言って扉を閉め退出した来夢さん。
しばらくして帰って来ると、来夢さんが口を開いた。
「…お待たせ致しました。こちら御水になります」
「ありがとうございます」
私がコップに注がれたお水を受け取り、飲み終わると
「そうだ、瑚莉様に見せたいものがあるんだ」
「…えっと、はい…」
来夢さんの突然の口調の変化に戸惑って声が裏返る。
すると、来夢さんは3枚の紙を私に差し出した。
紙を見てみるとそこには、私が来夢さんの許嫁であることを私の両親と来夢さんのご両親が許可した契約書と婚姻届だった。
「ええぇぇ!?」
驚きのあまり大きな声が出る。
「しっ!夜なんだから、歩夢も起きちゃうだろ?」
「ご、ごめんなさい…でも!こんなこと私は聞いてなかったから驚いちゃって」
「まぁ、無理もない…俺もこんなタイミングで見せるべきではなかったな…すまん」
「いえ…」
「だが、普段は人の目が多く、愛を育むにはこの環境は向いていない。だから、2人きりの時の今が最良だってことだ」
「な、なるほど…」
「あぁ。だからっていきなり襲ったりはしないから安心してくれ」
「分かりました」
「おやすみ、瑚莉」
「おやすみなさい」
「何もしておりません。あちらの方々は瑚莉様が突然消えたという認識でいらっしゃるでしょう」
そう答えた長身のイケメンは混乱する私を落ち着かせようと、紅茶という飲み物を渡して来た。
私は紅茶には一切手をつけずに、饒舌に自己紹介をする来夢というに尋ねた。
「…人間も魔法って使えるの?」
「いいえ、使えませんよ」
「じゃあ、どうしてお兄ちゃん達に私の声は届かなかったの?」
「結界ですよ」
「魔法は使えないんじゃなかったの?」
「確かに我々は魔法は使えません。ですが、呪文というものやおまじないといった術は使える者も居るのですよ」
「なるほど…」
「瑚莉様も修行すれば使えるようになりますよ。さて、歩夢」
「なぁに?兄様」
来夢が指を鳴らし、歩夢と呼ばれた美少年は可憐な出で立ちの彼は一瞬、私を見ると会釈をした。
「歩夢、瑚莉様をお部屋まで案内して差し上げて。国王様と王妃に報告も忘れずにお願いしますね」
「かしこまりました。瑚莉様、ではお部屋までご案内致します」
しばらく部屋で待機した後、夕飯に呼ばれた私は来夢と歩夢と共に長い廊下を歩いていた。
「瑚莉?」
「…?誰ですか?」
「…まぁ、そうだよな。覚えてるわけないよな…はじめまして、僕は君のお父さんだ」
「…!お父さん…」
「あぁ…瑚莉、やっと会えた…」
自分のことを私のお父さんだと自称した温厚そうなおじさんは、私を抱きしめしばらく固まって居た。
だが、私にとってパパは魔王に仕えるパパだけであって、このおじさんがお父さんだと言われても、実感が湧かなかった。
「…あの」
「あぁ、瑚莉は複雑だよな。すまなかった…突然名乗り出たおじさんが父親だって言い出したら、誰だって困惑するよな」
「それじゃあ…来夢、歩夢。瑚莉のことをよろしく頼むな」
「「かしこまりました」」
そう言い残して私の父親だと名乗ったおじさんは先に居間の扉を開けて入室した。
ご飯を食べ終わり、用意された自分の部屋に帰ると私はどっと疲れが出てそのまま眠りに着いた。
しばらくして喉の渇きで目覚めると、私は水分を求めて来夢と歩夢を捜す為に部屋を出て長い廊下を歩き出した。
部屋から出て先ずは隣の部屋の引戸を開ける。
「あ…あの来夢さん」
「はい。どうされました?」
「少し喉が渇いて」
「でしたら、私が飲み物をお持ち致しますので、少々お待ちください」
そう言って扉を閉め退出した来夢さん。
しばらくして帰って来ると、来夢さんが口を開いた。
「…お待たせ致しました。こちら御水になります」
「ありがとうございます」
私がコップに注がれたお水を受け取り、飲み終わると
「そうだ、瑚莉様に見せたいものがあるんだ」
「…えっと、はい…」
来夢さんの突然の口調の変化に戸惑って声が裏返る。
すると、来夢さんは3枚の紙を私に差し出した。
紙を見てみるとそこには、私が来夢さんの許嫁であることを私の両親と来夢さんのご両親が許可した契約書と婚姻届だった。
「ええぇぇ!?」
驚きのあまり大きな声が出る。
「しっ!夜なんだから、歩夢も起きちゃうだろ?」
「ご、ごめんなさい…でも!こんなこと私は聞いてなかったから驚いちゃって」
「まぁ、無理もない…俺もこんなタイミングで見せるべきではなかったな…すまん」
「いえ…」
「だが、普段は人の目が多く、愛を育むにはこの環境は向いていない。だから、2人きりの時の今が最良だってことだ」
「な、なるほど…」
「あぁ。だからっていきなり襲ったりはしないから安心してくれ」
「分かりました」
「おやすみ、瑚莉」
「おやすみなさい」


