寝ても覚めてもキミが好き

「いい、恋夏?トイレ行きたい時は必ず私もついていくから。あんた昔に私の家で迷子になって半べそかいたことあるでしょ」

「そ、そんなの小二とかの話でしょ!」


愛斗くんはもちろん、周ちゃんも初耳だったため、へぇと意地悪な顔をされた。


「恋夏ちゃんが迷子になっても、俺がちゃんと見つけ出すから大丈夫だよ」

「あ、ありがとう…」


さすが王子。周ちゃんじゃ絶対に言わないようなむず痒くなるセリフを、爽やかな笑顔と共に吐けるんだから。


「恋夏は本当方向音痴だからな。迷子になったらその場でじっとしてればいいのに、無駄に動くからさらにわからなくなるんだ。探す方はどんだけ大変か。だから簡単に探せると思わない方がいいぞ」


その通りすぎる周ちゃんの指摘に、返す言葉もなくしょんぼりと落ち込む。

たしかに私は方向音痴で今まで周ちゃんや夕美に迷惑かけてきたけど、そこまで思われてたんだな…。

周ちゃんに好きになってもらえるようにも、まずは方向音痴から直さなくちゃ…。


「だから、私がついていくから大丈夫だって言ってんでしょうが。さっさと宿題するよ」


夕美が有無を言わさないといった圧のこもった笑顔で二人を交互に見てから、私の背中を押して部屋に入っていった。

コンビニであらかじめ買ってきたお菓子やジュースをかたわらに、宿題会が始まった。